東京商工リサーチは7月28日、全国の主なケーブルテレビ局260社を対象に実施した、2009年度から2011年度までの加入世帯数、2011年4月から6月までの直近3ヵ月間の加入世帯数の推移の結果を発表した。有効回答数は82社。

7月24日にアナログ停波が実施されたなか、新たなアンテナ設置の必要がなく、アナログテレビでそのままデジタル放送を視聴できるケーブルテレビ局の存在感が増している。

同調査により、「地デジ化」を前に加入世帯が増加した局は、2009年度から2011年度の3年間で69社(構成比84.1%)となり、4月からの「地デジ化」直前の3ヵ月間でも61社(同74.3%)に達しており、駆け込み需要も根強かったことがわかった

各年度末時点の総加入世帯数 資料:東京商工リサーチ

ケーブルテレビ大手のジュピターテレコムの2011年1~6月の連結営業利益は地デジ効果により前年同期より2割増の399億円と過去最高を計上したが、今回の調査では大手との競合で苦戦する小規模局の声も聞かれたという。

「地デジ化」の後も加入世帯数が「増える」と見込んでいる局は38社(構成比46.3%)と半数を下回った。一方、「横ばい」29社(同35.3%)と「減少」11社(同13.4%)を合わせた回答は40社(48.7%)と逆転した。同社は、「多くの局が地デジ化以降の伸び悩みを見込んでいる」としている

「増える」と回答した理由は、「地デジ化対策」を挙げた局が22社あった。しかし、「地デジ化で難視聴区域は減少し、アンテナ受信増が見込まれる」ため「地デジ化はむしろ逆風(東北)」との回答もあり、「地デジ化」効果には地域差も生じているという。