Firefox web browser - Faster, more secure & customizable

Firefoxの開発ツールを開発しているRob Campbell氏は7月21日(カナダ時間)、まだナイトリーにも取り込まれていない開発ツールを搭載したカスタマイズ版のFirefox 8ナイトリーを公開した。Firefox 7や8で登場するとみられる専用の開発ツール機能を試すことができる。

先日、Firefoxで高い人気を持つデバッギングツールFirebugの主要開発者が、Firebugの開発から離れ、代わりにChromeチームで開発ツールの開発に従事することを発表した。今後新しいバージョンのFirebugの登場が期待できないとなると、実質的にFirefoxにおける開発ツールは現在Mozillaが進めているFirefox組み込みの専用開発ツールに絞られることになる。カスタムビルド版を公開した背景には、こうした開発ツールの開発が着実に進展していることを示す狙いがあるものとみられる。

Firefox 7オーロラ以降の開発ツールメニューにはインスペクタとスクラッチパッドが追加されている。

Firefox 5における組み込みの開発ツールはWebコンソールのみ。

公開されたカスタムFirefox 8ナイトリーに搭載されている開発ツールはUIが荒削りなものが多い。現在は主軸となる機能の開発が進められている段階で、UIのブラッシュアップは今後の作業となる。インスペクタはブラウザの開発ツールとして必須の機能と見られ、今回のカスタム版Firefoxで着実に機能強化が図られていることを確認できる。

Webコンソールの使用例。WebコンソールはFirefox 5にも導入されているが、Firefox 8ナイトリーの方が高機能。

今回公開されたカスタムFirefoxでの目玉となるインスペクタ機能。UIは仮に付けたといったレベルとされている。機能は十分。

スクラッチパッドにはOrionと呼ばれるエディタが採用されている。Orionは優れたエディタだが、シンタックスハイライトと補完機能が弱い。このOrionはシンタックスハイライトが有効になっており、機能が追加されたことがわかる。

Webコンソールは補完機能も有効。

現在のところFirefoxはデフォルトの組み込みエディタに「Orion」を採用する方向で開発を進めている。Orion採用に至った理由はDevTools/Features/CodeEditor - MozillaWikiにまとまっている。Firefoxに採用しやすい特徴を備えているものの、シンタックスハイライトや自動補完の機能に難があった。今回のカスタムFirefoxではOrionエディタでシンタックスハイライトが有効になっており、こうした弱い部分を開発で強化していることがわかる。

現在の開発ペースとリリーススケジュールを考えると、こうした高度な開発ツールが導入されるのはFirefox 7以降になるとみられる。なお、カスタマイズ版Firefoxをアップデートすると通常のFirefox 8ナイトリーに上書きされる。