ICT総研は6月4日、東日本エリアにおけるスマートフォンおよびデータ通信カードの電波状況の実測調査の結果を発表した。同調査は、携帯電話各社のスマートフォンに加え、イー・モバイルとUQコミュニケーションズ(以下、UQ)のデータ通信カードを使い、東日本エリアの30の測定場所においてデータ通信速度を計測する手法で実施したもの。

スマートフォンでは、auが東日本エリア全体の平均で最速(下り0.88Mbps、上り0.70Mbps)となり、NTTドコモがこれに続いた(下り0.79Mbps、上り0.44Mbps)。ソフトバンクモバイルは、「GALAPAGOS」と「iPhone4」の2種類の端末で計測したが、首都圏では強みを見せたが東北地方部で苦戦したため、auやNTTドコモと比較すると、東日本エリア全体の平均速度では劣る結果となった。

データ通信カードでは、イー・モバイル、UQ共に首都圏、東北地方部の地域に関係なく1Mbps以上の平均速度を計測した。下り速度はイー・モバイル(1.33Mbps)、上り速度はUQ(1.81Mbps)が東日本エリア全体の最速となった。

同社は、UQが東北地方の7つの測定場所で圏外表示になるなど、東北地方部でエリア拡大途上な面が見られるとしている。NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルは、今回の調査対象の30の測定場所すべてで電波を測定できたという。

東日本大震災の影響については、今回の調査対象が仙台、盛岡など主に新幹線沿線の都市が中心で、甚大な被害を受けた沿岸部ではなかったこともあり、通信の不通などは見られなかったとしている。