5月8日~13日、米国カリフォルニア州サンノゼで開催された、第62回目となる国際学生科学フェア『Intel ISEF(International Science and Engineering Fair)』で、日本からの代表参加チームが発表した2つのプロジェクトが部門優秀賞及び特別賞を受賞した。

田中里桜さん(自身の研究発表ブースにて)

「人生観まで変わるほどの一週間だった!」。千葉県立千葉高等学校2年の田中里桜さんは、授賞式閉会後に満面の笑顔で語ってくれた。田中さんは「有孔虫による堆積古環境の推定」と題した研究を発表。地球科学部・部門賞3位受賞と同時に、米国地質学研究所による特別賞の1位受賞という快挙を果たした。中学1年の時に出された課題がきっかけとなり、地層に魅せられて以来研究を続けきた。

今回、審査員の一人であった米国地質学研究所の関係者が、田中さんのブースに何度も立ち寄って高い関心を示してくれたそうで、「自分がやってきた研究に対して、一生懸命説明を聞いてくれて理解してもらえたことが、何よりもすごく嬉しかった」と語ってくれた。

また、鹿児島県立錦江湾高等学校3年の川添信忠さん、前畑大樹さん、叶瑠至亜さんのチームは、地元の桜島火山で頻発している噴火に伴う火山雷現象の解明を目指した研究内容で、地球科学部門4位を受賞し、合わせてアメリカ気象学会による特別賞の佳作入選にもなった。

受賞後3人は、「まさか自分たちのプロジェクトが選ばれるとは思っていなかったので驚いた」「素直にうれしい!」「早く友達や学校の先生など、応援してくれたみんなに自分の口から伝えたい」など、それぞれの思いを語ってくれた。期間中の一週間でとくに嬉しかった出来事を聞くと、「審査員の一人であった空軍の関係者が、強く僕たちのプロジェクトに興味を示してくれて、何度もブースに足を運んでくれたことです」と、心の底から嬉しいといった表情を見せてくれた。

日本の高校生サイエンティストたちが世界で高評価!

受賞はもちろん嬉しい結果ではあったが、日本からの参加者たちにとって、こうした専門家たちが自分たちのプロジェクトに強い興味を示し、真剣に耳を傾けてくれるといった経験こそが、何よりも強い刺激となったようだ。

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