日本マイクロソフトは、Windows XP/Vista/7を搭載したPC向けに、Windowsにおいて複数に及ぶ節電設定を一括で行うことができる「Windows PC自動節電プログラム」(Fix it)を無料で提供するとともに、一般ユーザー向けに節電設定のための無償電話サポートを開始した。
同社では、電力中央研究所の協力のもと、Windows PCの消費電力検証を実施し、その検証結果をもとに、「Windows PC自動節電プログラム」を開発した。プログラムは、同社のWebからダウンロードできる。なお、節電設定のための無償電話サポートは以下のとおり。
一般ユーザー向け無償電話サポート概要
窓口名称 : 節電設定無償電話サポート
電話番号 : 0120-37-0196 (自動音声に従い6#)
対象のユーザー : 一般ユーザー(個人)
サポート受付内容 : 「Windows PC自動節電プログラム」のインストール方法、設定の復元方法、OSから設定可能な項目に関する一般的な質問
対応時間 : 月曜日~金曜日、9:30~12:00 / 13:00~19:00 (土日祝日及び指定休業日を除く)
窓口開設期間 : 2011年5月10日(火)~2011年8月10日(水)
日本マイクロソフト コマーシャルWindows本部 業務執行役 本部長 中川哲氏によれば、ほとんどのユーザーは、省電力設定をデフォルトのまま利用しているということで、今回提供の「Windows PC自動節電プログラム」を利用すれば、約30%の節電効果が得られるという。中川氏は、「省電力設定の多くは、バッテリをいかに長く使うかということがメインで、ACアダプタ接続時にはさらにできることがある」と、プログラム提供の目的を説明する。
消費電力検証では、Windows XP/Vista/7それぞれのノートPCとデスクトップについて、「使っていないときに、いかに節電するか」と、「使っているときにいかに節電するか」の2点に着目して行ったという。
使っていないときに、「シャットダウン」と「スリープ」のどちらを選択すべきか
「使っていないときに、いかに節電するか」では、「シャットダウン」と「スリープ」のどちらを選択すべきかを検証。中川氏によれば、「シャットダウン」は電源OFF時の待機電力は少ないものの、シャットダウン時と起動時に大きな電力を消費し、「スリープ」は、スリープ移行時と復帰時の電力はシャットダウンに比べ少ないものの、スリープ時の消費電力が電源OFF時よりも大きいという。
そのため、中川氏は、利用しない時間の長さによって「シャットダウン」と「スリープ」を使い分けるのがよいとした。検証の結果その分岐点は、デスクトップの場合、XPが約1時間45分、Vistaが1時間20分、7が1時間40分で、ノートPCの場合は、XPが約40分、Vistaが1時間30分、7が1時間50分で、この時間を超えて利用しない場合はシャットダウンを行い、短い場合はスリープを選択するのがよいとした(機種によって誤差が出るのであくまで目安)。
使っているときは、ディプレイの明るさを落とす
一方、使っているときはディプレイの明るさを落とすと効果があり、同社では最大輝度の40%程度に落とすことを推奨し、その場合、ディスプレイ単体では平均約38%、PC全体で平均約23%の節電効果があるとした。
同社のWebサイトでは、企業向けに「グループ ポリシーやコマンド ラインから電力設定を展開する方法」などの資料も提供されているほか、今後、Windows Vista/7向けに、東京電力エリアの電力使用率がわかるガジェットも提供される予定だ。