Portable C Compiler

4月1日(スウェーデン時間)、ポータブルCコンパイラの最新版となる「pcc 1.0.0」が公開された。pccは1970年代に開発がはじまったCコンパイラ。初期に登場したCコンパイラのひとつで、1980年代初期にはCコンパイラの基礎的な位置づけを獲得。しかしそれ以降はGCCに主要Cコンパイラとしての座を譲って今日に至っている。

2007年ごろにC99準拠へ向けた開発が開始され、今回の初メジャーバージョンリリースへ到達した。pccの最初の開発から換算すると、30年以上の期間を経て初のメジャーリリースが実施されたことになる。

pccの今後の開発目標として次の項目があげられている。

  • F77コンパイラの実装
  • C++フロントエンドの開発
  • 対応アーキテクチャの追加や改善 (alpha、arm、hppa、m68k、mips、powerpc、sparc、sparc64、superh、vax)
  • ツールチェインの開発 (as、ld)
  • 最適化および改善の継続

pccはBSDライセンスを採用したコンパイラ。主要サポートアーキテクチャはi386とamd64。ライセンスとともに、高い移植性と軽量さに特徴がある。OSSのコンパイラまたはコンパイラインフラストラクチャとしてはGCCが主流だが、GCCのライセンスがGPLv2からGPLv3に移行したことで別のコンパイラを模索するプロジェクトが出ている。組み込みや商用利用でGPLv3を懸念する向きもあり、pccはGCC代替えコンパイラとしてのひとつとして注目されている。