多くのアスリートや優れた指導者を育成、排出している体育とスポーツの総合大学が日本体育大学だ。東京都世田谷区と神奈川県横浜市にキャンパスを構えているが、世田谷キャンパスでは2009年から再開発が行われている。その中で、図書館のリニューアルに伴い導入されたのが日本HPの「HP MultiSeat Computing」だ。
日本体育大学の図書館は、従来は別館で運営されていた。それが新校舎の2階、3階へと収容され、353席と大型化。延べ床面積は2,013平方メートルで、以前の倍近くまで拡大されている。
「以前から学生の要望として、PC台数を増やしてほしいというものがあり、対応するために用途を絞らず使えるPC席を増やすことにしました」と語るのは、管理部 電算課 主任の荒井俊嘉氏だ。
以前は検索用、文書作成用と用途を絞ったPCが、世田谷・横浜の両キャンパス合計で40台設置されていた。新図書館では用途を絞らず利用できるクライアント端末が世田谷で61台、横浜で36台の合計97台と大幅に増加している。しかし、実際に稼働しているPC本体はわずか15台だ。
「HP MultiSeat Computing」は、1台の端末に最大10台のアクセスデバイスを接続し、見かけ上10台のPCがあるかのように使うことのできるソリューションだ。日本体育大学では、1台のホストPCに7~8台のアクセスデバイスを接続して利用している。
パフォーマンスについて荒井誌は、「PC教室などと違い、全員が同時に同じ作業をするのではないため、負荷が分散されます。起動は少々遅いのですが、使い勝手として学生から不満は出ていません」と語っている。
PC台数を増やそうとした時、問題になったのはコストと導入期間だった。7月に開館が決まっていたにもかかわらず、実際の新体制設計が始まったのは5月。わずか2カ月での導入が求められていた。