Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは11月29日、同社が提供しているクロマト・データ・システム(CDS)「ChemStation」および「EZChrom Elite CDS」プラットフォームにおける次世代CDS「Agilent OpenLAB CDS」を発表した。

同CDSは、拡張性の高い「OpenLAB Shared Services」アーキテクチャを採用し、従来のChemStationおよびEZChrom Eliteを統合したプラットフォームとなっており、ChemStationおよびEZChrom Eliteのワークフローとの完全下位互換性に加え、集中管理、リモート表示、最適化レポーティングなどの機能を搭載している。

複数のメーカの液体クロマトグラフおよびガスクロマトグラフに加え、同社の「Agilent LC/MSシングル四重極」やキャピラリ電気泳動装置もサポートしている。そのため、カスタマは選択の幅を広げられ、他のデータシステムからの乗り換えも簡単に行うことが可能となる。

また、柔軟なアーキテクチャにより、スタンドアロン型ワークステーションから、ネットワーク・ワークステーション、さらには全社規模のエンタープライズデータシステムまで、スムーズに拡張することができ、ラボにおける現在のニーズだけでなく将来のニーズにも対応することが可能となる。

さらに、ラボ責任者に向けた機能として、OpenLAB CDSを直感的に集中管理できる「Shared Services Control Panel機能」を用意。このコントロールパネルには、システムに接続されたラボのあらゆるクロマトグラフ装置の詳細ステータスが一目で分かるように表示される。装置は直感的なツリー形式で表示され、複数階層での管理が可能。装置へのアクセスはユーザ権限によって管理でき、完全な分散アーキテクチャによるネットワークのどこからでも装置にアクセスが可能で、iPhoneやiPadなどのスマートフォンを使って遠隔地から装置のステータスを確認することも可能となっている。

加えて、ラボの業務効率を向上する機能として、「OpenLABインテリジェント・レポーティング機能」を搭載。これは、必要な情報を迅速、簡単、柔軟にレイアウトできるレポート機能で、直感的なドラッグ&ドロップ方式のテンプレート作成を採用、また現在手動で行われているカスタム計算の自動化も行うことが可能な機能。レポートは細かなニーズに合わせて作成でき、例えば、クロマトグラムの特定領域を拡大表示したレポートを簡単に作成できるため、微量成分分析を容易に行うことが可能となっている。また、クロマトグラムをフルスケールで表示できるほか、最大不純物のスケールに合わせることも可能となっている。

なお、販売は12月1日より開始する予定で、既存のChemStation、EZChrom Elite、OpenLAB ICMシステムからのアップグレードも可能となっている。