丸紅およびリチウムメーカー大手のチリSQM、独Chemetallならびにチリ大学(Universidad de Chile)は共同で、チリでリチウム機構を設立することで合意、契約を締結したことを発表した。
同機構の出資比率は、丸紅19%、チリ大学33%、SQMおよびChemetallがそれぞれ24%で、丸紅は4000万ペソを出資する。
チリは世界最大のリチウム産出国であり、チリ政府も従来のリチウムの輸出に加え、高付加価値のリチウム応用製品産業を育成し、関連産業分野における開発を積極的に行っていく方針を示している。産学共同による今回のリチウム機構は、リチウムイオン蓄電池を始めとするリチウムの応用製品の研究開発を目的とし、今後、同機構を中心として、広く産官学からの参加を募り研究開発および商業化を行なっていく予定としている。
丸紅では、リチウム応用製品に関する技術の紹介など、リチウム機構の窓口的機能を通じて、同機構の活動を支援していく方針。また、共同参画するSQMおよびChemetallは、世界トップクラスのシェアを有するリチウム生産者であり、バッテリ用リチウムのシェアでは両社合計で世界の8割以上を占めている。
なお、丸紅は、チリにおける日産自動車の総代理店を務めており、今回のリチウム機構への出資参画に先立ち、2009年12月に、チリにおける電気自動車普及のために必要なインフラとテクノロジーの導入評価に関する協定書に調印しているほか、2008年には総額20億ドルを超えるチリ銅山の買収を実行、水事業分野においては48都市に上下水道のフルサービスを行う同国第3位の水事業会社の買収も決定しており、今後も、同国における積極的な営業活動を展開して行く計画としている。