NTTPC コミュニケーションズ(以下、NTTPC)とNTT コミュニケーションズ(以下、NTT Com)は10月7日、NTT Comのグループ会社である米国Verioが開発したクラウドプラットフォームにNTTPC が日本市場向けにローカライズしたクラウド型ホスティングサービス「WebARENA CLOUD9」の販売を開始した。

Verioはクラウドプラットフォームの開発・保守・運用を担当、NTTPC は仮想OSと日本語対応コントロールパネルの開発/日本国内における販売/運用サポートを担当する。

同サービスの基本スペックは、HDD容量が50GB、メモリが1GB、CPU1コア。ニーズに応じて、HDDは1,000GB、メモリは16GB、CPUは4コアまで拡張することができる。基本スペックの利用料金は初期費用の5,250円に加え、月額料金としてクレジット支払いコースの場合は4,800円、請求書・講座支払いコースの場合は5,640円を支払う。

OSにはCentOSを採用しており、専用サーバと同じroot権限で利用可能なため、ライブラリの追加やアプリケーションのインストール、開発環境としても活用できる。

同サービスの特徴の1つは、「マイグレーション」「フェイルオーバ」といった耐障害性機能が標準で提供される点だ。マイグレーション機能とは、サーバが高負荷はリソース不足の状況に陥った場合、実行中の仮想マシンを別のホストへ移行させるというもの。従来の共用ホスティングサービスと比べ、他のユーザーの仮想サーバの高負荷によりサーバが停止してしまう影響が抑えられる。

また、フェールオーバ機能とは、ホストサーバのハードウェア故障などによってサービスが利用できなくなった場合、最小限のダウンタイムで正常なホストサーバへ仮想OSを移行するというもの。

そのほか、ポートマップ機能により、仮想OSはプライベート領域に設置されているため、必要に応じたサービスポートだけを公開することができる。

ポートマップ機能の仕組み

OSのインストール、プロセス状況、監視設定など、サーバの運用管理に必要な操作はブラウザベースの管理画面「コントロールパネル」ですべて行える。

コントロールパネルの操作画面

同サービスは今後、2段階分けて機能拡張が行われる予定だ。その第1弾としては、バックアップ/リストア機能、オートスケールアップ機能、従量課金制への対応が行われる予定。オートスケールアップ機能とは、サーバのリソース(CPU・メモリ・ディスクが)利用状況に応じて予約した上限まで自動で拡張されるというもの。

第2弾としては、ロードバランシング機能 、複数台構成機能 、オートスケールアウト機能 、Windows対応が予定されている。オートスケールアウト機能とは、サーバとネットワークを利用状況に応じて、事前に予約したリソース(サーバ台数、ネットワーク帯域)まで自動で増設した後、複製・ロードバランスの拡張まで自動で行うというもの。