The Universal Operating System

Debian 6.0は2010年中にリリースされる見通し。Debian 6.0最大のポイントはサポートするカーネルに新しくFreeBSDカーネルが追加される点にある。Linuxカーネル以外のカーネルをリリースレベルでサポートすることでDebianはカーネルに依存しないディストリビューションであることを示す狙いがある。DebianでFreeBSDカーネルを採用する利点は、Linuxカーネルでは提供されていないFreeBSDカーネルの機能が利用できる点にある。Jailやpfなどもあるが、このタイミングで特に注目されるのがZFSが利用できる点にある。

ライセンスの関係でZFSがLinuxカーネルにマージされることはないと見られている。巧みに問題を回避したLinux版ZFSの登場が計画されているとはいえ、まだリリースされておらず、有償無償などの扱いも不明、それにZFSは別途あとからインストールする必要がある。ZFS-FUSEがあるとはいえパフォーマンスは期待できない。こうなってくると、デフォルトインストールの状態でZFSが利用できるOSとしてDebian GNU/kFreeBSD 6.0はひとつの選択肢となる。

Debian GNU/kFreeBSD amd64 6.0/20100913起動画面

Debian GNU/kFreeBSD amd64 6.0/20100913動作例

最近のDebian GNU/kFreeBSDはFreeBSD 8.1-RELEASE相当のカーネルを採用し、ZFSの機能もデフォルトで提供している。デイリーでスナップショットイメージが公開されているため、Debian GNU/kFreeBSDを試してみるにはmini.isoを取得してインストールするのが簡単だ。OSをインストールしたら次のようにZFS関連のユーティリティをインストールすればいい。以後、ZFSが利用できるようになる。

apt-get install zfsutils

ZFS関連ツールのインストール - Debian GNU/kFreeBSD amd64 6.0/20100913

ZFS操作例その1 - Debian GNU/kFreeBSD amd64 6.0/20100913

ZFS操作例その2 - Debian GNU/kFreeBSD amd64 6.0/20100913

ZFS操作例その3 - Debian GNU/kFreeBSD amd64 6.0/20100913

ZFSを使ったことがあればDebian GNU/kFreeBSDのZFSは違和感なく扱える。FreeBSD ZFSを使っている場合にはほとんど違いを感じない。今のところFreeBSD 8.1相当を使っているためZFS v14が使われている。FreeBSD開発版はすでにZFS v15にアップグレードされているほか、ZFS v28の試験パッチも公開されており、将来的にDebian GNU/kFreeBSDでZFS v28が使えるようになるのは硬い線だとみられる。

Linuxに登場が予定されるKQ InfotechのLinux ZFSがZFS v18相当、ZFS-FUSEがZFS v23相当であることを考えると、Debian GNU/kFreeBSDで今後使えるようになるZFS v28は検討に値するバージョンといえる。