米NeuroFocusは、脳科学の立場から消費者の脳の反応を計測することで消費者心理や行動の仕組みを解明し、マーケティングに応用しようとする試みである「ニューロマーケティング」が、英科学雑誌「New Scientist」の表紙デザインの選定に活用されたことを発表した。

これは、New Scientist 8月7日号の3つの候補表紙に対する被験者の脳波および視標追跡を、同社の高解像度脳波センサー(High resolution EEG)および視標追跡(アイトラッキング)装置を用いて行ったというもので、被験者がどの部分を見た際に、どのように感じているのかを、注意度、感情的関与度、記憶保持度、総合的脳神経効果、購入意向、新奇度、認知度の7つの指標で評価した。

結果、3つの候補表紙デザインは、いずれも好印象を被験者に与えたものの、総合的脳神経効果から見たとき、選定されたデザインは、感情的関与度のレベルが残りの2つと比較して高く、効果の違いが見られたという。

ニューロマーケティングを用いると、どの表紙が見込み客の興味を引き、深い潜在意識のレベルで、より強く訴えるのかを特定することが可能となり、感情的関与度のレベルが上がると記憶保持度や購入意向が促進されることになると同社では説明する。

同社では、こうしたマーケティング手法を活用することで出版社はより効果的な表紙デザインを決定することができるようになるとしているほか、同様にブランド、商品、パッケージング、店内マーケティング、広告などにも応用することで、消費者が脳内で起こす意識下の反応の強さを測ることも可能であることから、さまざまな業界での商品開発、パッケージデザイン、マーケティング活動の改善などが可能になるとしている。

なお、今回、特別な方法で選ばれた表紙とその関連記事については、New ScientistのWebサイトにて見ることができる。

今回選定された表紙デザインを採用したNew Scientist