トムス・エンタテインメントは8月5日、小児医療での活用を想定したアニメーション視聴端末「スマイルタッチ」を発表した。

スマイルタッチ

スマイルタッチは、トムス・エンタテインメントが保有するコンテンツが収録されたタッチパネル式のアニメーション視聴端末。子供版インフォームドコンセントに当たる「プレパレーション」の効果を高めることを目的としており、「採血ってな~に?」、「レントゲンって何するの?」など、小学校低学年の子供が治療内容/効果を理解するためのアニメーションや、「赤ちゃんのうんち(幼児の下痢・嘔吐時の対応)」、「あわてないでお母さん(発熱時の対応)」といった家族向けの医療情報アニメーションが用意されている。

また、治療や検査中に気を紛らわして痛みや不安/恐怖を緩和する「ディストラクション」用のコンテンツとして、「それいけ! アンパンマン」、「きかんしゃトーマス」、「ハローキティ」、「名探偵コナン」など、トムス・エンタテインメントの人気アニメーションが約11時間分収録されている。

発表会ではアンパンマンの作者、やなせたかし氏もビデオレターで登場した

すでに全国23の病院/クリニックで試作版による効果検証を進めており、医療従事者の74.2%が「非常に有効」、「有効」と回答。さらに患者の90.8%から「とても良かった」、「良かった」という回答が得られているという。特に、ディストラクションに関する効果は高く、普段泣いたり暴れたりする小児を落ち着かせるうえで有用だったという意見が多く寄せられたようだ。

ハードウェアの開発やデザインは加賀電子が担当している。専用端末という形態をとったことについて、トムス・エンタテインメント 事業開発部の谷貝昌彦氏は、「医療現場の方たちから消毒や落下/衝撃に対する耐性を強く求められた。専用端末とすること自体にはこだわりはなく、iPadも検討したが、現場のニーズに応えられるかどうかという点に不安があって採用を見送った」と説明した。

スマイルタッチの主なスペックは以下のとおり。

本体寸法 約307(幅)×25(奥行)×275(高さ)mm ※VESAマウント部を含まず
画面 12インチ(タッチパネル機能)
質量 約1.6kg
稼働時間 約2時間(充電時間: 約3 時間)
オプション 支柱取り付けアーム、交換用バッテリー
本体価格 月額レンタルプラン: 初期登録料9800円、月額9800円
年額レンタルプラン:初期登録料9800円、年額98000円
その他 自立スタンド、機器消毒に耐え得る対薬品性能、VESA準拠の取り付け穴(75mmピッチ)、コンテンツデータ不正使用防止セキュリティ機能、専用USBによる内部コンテンツ及びシステムの更新機能

以下のコンテンツを収録している。

治療への理解を促す
プレパレーションコンテンツ
(計4本、約12分)
点滴がんばろう! 3分24秒
採血ってな~に? - 2分44秒
レントゲンって何するの? - 2分39秒
吸入はこわくない! - 3分7秒
知っておきたい家庭で役立つ
医療情報コンテンツ
(計4本、約18分)
赤ちゃんのうんち(幼児の下痢・嘔吐時の対応) - 4分29秒
あわてないでお母さん(発熱時の対応) - 5分07秒
お家の中は、危険がいっぱい!(幼児の事故防止) - 3分27秒
予防接種を受けましょう(定期接種の情報) - 4分59秒
ディストラクション関連
(合計約70話、11時間)
「それいけ!アンパンマン」シリーズ - 計9本、約68分
「それいけ!アンパンマン 図鑑」シリーズ - 計2本、約61分
「きかんしゃトーマス」シリーズ - 計9本、約47分
「ハローキティ」シリーズ - 計8本、約58分
「絵本の読み聞かせ」シリーズ - 計14本、約118分
「名探偵コナンのこども百科事典」シリーズ - 計3本、約47分
など

販売形態はレンタル販売のみで、同日から受け付け開始、9月23日からレンタルをスタートする。また、9月22日までは、原則1カ月の無償トライアルを申し込めるほか、初期登録料金が無料になるキャンペーンも実施している。

製品を監修した順天堂大学医学部 小児科学講座 准教授の田中恭子氏(左)とトムス・エンタテインメント 代表取締役社長の岡村秀樹氏(右)