2011年度の注力分野 - 最重点分野はクラウド
続いて樋口氏は、2011年度の経営方針について説明。キーワードとして、「クラウドビジネスの加速」、「ソリューションビジネス推進」、「クライアントインフラ&PC活用の拡大」の3つを挙げた。
これらのうち、最も強調されたのがクラウドビジネスである。
具体的な施策としては、「クラウドコンピューティングにおいても日本品質のサポートを提供していくことが大切」(樋口氏)としたうえで、クラウド専任者を100名以上用意するほか、「日本法人の社員の90%以上を何らかのかたちでクラウド関連事業に従事させる」(樋口氏)ことを説明。さらに、「現在350社」(樋口氏)というクラウド対応パートナー企業の数を「3年後には全パートナー企業に当たる5000社にまで増加させる」(樋口氏)方針を明かし、「オンプレミスと同規模のビジネスに成長させる」(樋口氏)と続けた。
そのほか、Windows Azureのボリュームライセンスの提供を開始することや、Microsoft Online Servicesの新バージョンを提供すること、「Microsoft Dynamics CRM Online」、「Windows Intune」といったサービスを開始することなども挙げ、「引き続きサービスの拡充にも努めていく」(樋口氏)も改めて強調した。
一方、ソリューションビジネスの推進という点では、実績豊富なオンプレミス製品とそれに対応するクラウドサービスが用意されていることに触れたうえで、「オンプレミスからクラウド、クラウドからオンプレミスへとアプリケーションやデータをいつでも戻せる環境があることは大きな利点」(樋口氏)と説明。この特性を生かしてビジネスの拡大をねらっていくという。
また、クライアントインフラ&PCでは、Windows 7 / Office 2010の企業導入の促進に力を入れていくほか、検索サービス「Bing」の正式版を7月13日にスタートさせることなどを発表。デジタル教科書など、教育機関向けのサービス提供にもリソースを割いていくという。
社名変更と最新モーションセンシング技術
樋口氏は最後に、創立25周年となる2011年度を迎えるにあたって、本社移転予定日と同じ2月1日付で社名を「日本マイクロソフト」に変更することを発表。その理由については、「日本に根差した、日本の社会から信頼される企業を目指すという意味を込めた」(樋口氏)と説明した。
さらに、「Kinect」と呼ばれる最新のモーションセンシング技術を紹介し、同技術を搭載したXbox 360を年末商戦に合わせて発売することを発表。加えて、「何も持たなくても、ディスプレイの前で動くだけで各種の操作が行えるKinectは、PCへの組み込みも可能。ビジネス分野での応用も期待できる」(樋口氏)と語り、さらなる発展の可能性を示唆した。