日本オラクルは7月6日、同社のEPMポートフォリオの一部として統合計画アプリケーション製品群「Oracle Hyperion Enterprise Planning Suite」の提供を開始した。また同社 代表執行役社長 最高経営責任者の遠藤隆雄氏は、日本オラクルにおける事業の4本目の柱としてEPM/BIを追加し、同事業の責任者として執行役員 EPM/BI事業統括本部長 関屋剛氏が就いたことを発表した。

日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者の遠藤隆雄氏

日本オラクル 執行役員 EPM/BI事業統括本部長 関屋剛氏

日本オラクル EPM/BI事業統括本部 ビジネス推進部 部長 箕輪久美子氏

関屋氏は「昨今の金融不況はよく"100年に一度の経済危機"と言われていたが、いまや世界の変化のスピードは速く、しかも恒常的。言うなれば"100年に一度"が毎年起きているような状況だ」とし、「日本企業にも想定外の変化に迅速に対応できる経営改革が必要であり、変化をチャンスに変える経営が求められる。Hyperion Enterprise Planning Suiteはこれを実現する製品群」と語る。企業の戦略と財務計画、または事業計画と財務計画のプロセスを統合することで、「戦略からオペレーションまで、一貫して整合の取れた、つまり全体最適化された計画策定が可能。また、複数シナリオで計画を策定することでどこで変化が起こっても柔軟に対応することができる」(日本オラクル EPM/BI事業統括本部 ビジネス推進部 部長 箕輪久美子氏)という。

同製品群に含まれるアプリケーション製品は以下の通り。各アプリケーションごと、または複数製品を組み合わせての導入も可能。

Oracle Hyperion Strategic Finance

企業の戦略が財務におよぼす影響をモデリング/シミュレーションする。事業ポートフォリオ最適化、企業価値評価、M&A分析、資金調達試算など。

Oracle Hyperion Plannning

予算管理および予実管理に関しては「業界トップシェア」(日本オラクル)のアプリケーション。予実統制、ローリング予測(四半期/半期ごとに状況に応じて予算を見直す)など。

Oracle Hyperion Planning Modules

要員計画を事前に定義する「Oracle Hyperion Workfore Planning」、設備投資計画を事前に定義する「Oracle Hyperion Capital Asset Planning」が含まれる。

Oracle Hyperion Profitability and Cost Management

組織内のコストや収益性の推進要因を可視化する業務管理アプリケーション。活動基準原価計算、製品/顧客収益性分析、多段階配賦など。

Oracle Integrated Operational Planning

財務計画と業務計画の同期およびシミュレーションを行うアプリケーション。収益計画と販売計画および生産計画との調整/最適化など

これらの製品により、たとえば「期中のM&A案件が財務におよぼす影響」「売上不振のリカバリプランとして新機種繰り上げ販売を行った場合のコストおよび人員におよぼす影響」などを分析することが可能になる。「(同製品群を)導入する企業の規模は年間売上3,000億円から1兆円超の、グローバルでビジネスを展開している企業が中心になる。価格は非公表だが、1アプリケーションで2,000万円くらいが導入の目安」(箕輪氏)とのこと。

遠藤社長は「EPM/BIはオラクルが日ごろ提唱しているマネジメント・エクセレンスの実現に欠かせない分野。経営の次の一手をどう打つか、その正確な予測を日本企業も求めるようになってきている。この市場ニーズを受け、ERP/BIを、データベース、ミドルウェア、アプリケーションに次ぐ第4の事業の柱とすることを決めた」と語り、「たとえばIFRS対応にしても、会計のトータルリフレッシュではなく、もう少しクイックにできることがあるはず。EPMはそういった需要に応える経営のキラーソリューションとなる」と語り、旧HypeionポートフォリオをベースにしたEPM/BI事業をこれまで以上に積極的に展開していくとしている。

データベース、ミドルウェア、アプリケーションに続き、EPM/BIが第4の事業の柱に

競合製品に比べさまざまな面で優位に立つとオラクルが断言するHyperion製品群。最強のライバルはやはりExcelか!?