セミナー会場には多くの参加者が集まった「電子出版スタートアップセミナー」

毎日コミュニケーションズは5日、電子書籍について理解を深め、具体的に活かすためのノウハウを提供するセミナー「3時間で学べる電子書籍の基礎知識! 電子出版スタートアップセミナー」をパレスサイドビル9Fにて開催した。

「3時間で学べる電子書籍の基礎知識! 電子出版スタートアップセミナー」は、雑誌『+DESIGNING』、『Web Designing』、『Mac Fan』、Webメディア『マイコミジャーナル』や、『iPhone Fan』、『iPad Fan』という電子ブックリーダーの専門メディアを刊行する情報網を活かし、電子書籍について理解を深め、具体的に活かすためのノウハウを受講者に提供することを目的として行われたセミナー。

会場となったパレスサイドビル9Fのマイナビルームには多くの受講者が来場し、セミナーは盛況のうちに幕を閉じた。

キーノートセッションを行った滝口直樹(左)と講演を行った小木昌樹(左)

当日は、毎日コミュニケーションズ 出版事業本部長 滝口直樹による「電子書籍は出版業界に何をもたらそうとしているのか」と題したキーノートセッションを皮切りに、雑誌『+DESIGNING』編集長 小木昌樹の講演「電子書籍はじめの一歩」に加え、アドビ システムズ、電通+ヤッパ、モリサワ、WoodWing各社によるデモンストレーションが行われた。

冒頭のキーノートセッションにて滝口は「電子書籍が出版社にとって利益になるのかどうかと問われたら、利益になると答えたい」と語り、電子書籍を「市場」と「商材」の2側面からアプローチ、その可能性について述べた。続いて行われた小木の講演では、電子書籍を「デバイス」、「フォーマット」、「プラットフォーム」、「ワークフロー」の4点から解説。電子出版を取り巻く現状を踏まえた説明も随所に織り交ぜながら、編集の現場と電子書籍の関係を環境面や技術面と絡めた内容を含めて締めくくった。

アドビ システムズの岩本崇氏

「MAGASTORE」から電通の泊寛祐氏(左)とヤッパの藤井義隆氏(右)

また、アドビ システムズはInDesign CS5の解説や同社が先日発表し話題となっている『WIRED』誌との協力にて開発された出版社向けのデジタル閲覧技術やアプリケーションについてプレゼンテーションを行い、電通とヤッパは電子雑誌販売に必要な機能を出版社に提供するサービス「MAGASTORE」の成立過程や、貴重な資料などを公開。

モリサワの大澤叙夫氏

WoodWingのジョエル・イングルスルッド氏

さらに、モリサワは7月に発売を予定している電子書籍ソリューション「モリサワ MCBook」のデモンストレーションを行った後、WoodWingが「iPad向けデジタルマガジン制作ツール」を『TIME』誌の事例を通して紹介した。

名刺交換会はなごやかな雰囲気で行われた

最後には、参加者/社の交流会として「名刺交換会」もなごやかな雰囲気で行われ幕を閉じた同セミナー。休憩を挟んで4時間ほどの長丁場であったが、電子書籍を取り巻く情報を整理することによって、参加者各々が「スタートアップ」するためには何が重要であるのかを把握するきっかけを掴むことができるセミナーとなったのではなかろうか。