Exchange Server 2010のPowerShell環境
…Exchange Management Shell

Exchange Server 2010をインストールすると、自動的にExchange Management Shell(Exchange管理シェル)をセットアップします。これはPowerShell 2.0にExchange Server管理モジュールを追加したもので、Exchange Serverのあらゆる管理を行うことができます。

たとえば、Exchange Server 2010のプロダクトIDの入力とライセンス認証もPowerShellで実行できます。

Set-ExchangeServer -Identity サーバー名 -ProductKey プロダクトキー

スタートメニューからExchange Management Shellを起動

Set-ExchangeServerコマンドレットでプロダクトキーを入力

Exchange Management Shellで利用できるExchange Server管理用コマンドレットは、get-excommandを実行して知ることができます。多数のコマンドレットが一気に表示されますので、1ページずつ表示するにはmoreと組み合わせるといいでしょう。

「get-excommand | more」を実行

あるいは、「get-excommand > command-list.txt」などと実行して、テキストファイルにリダイレクトし、メモ帳などで開いてみるといいでしょう。PowerShellでは実行する命令をコマンドレットと呼びます。なお、PowerShell環境で使える全コマンドレットの表示には、get-commandコマンドレットを実行します。

PowerShellのWebcastが公開

マイクロソフトが運営するシステム管理者向けWebサイト「Microsoft TechNet」には、Webcast形式で技術を解説する「TechNet Edge」というWebサイトも用意されている。

先日、そこにPowerShellによるシステム管理について解説する動画が公開されたので、ご紹介しておこう。

公開された動画は以下の8本。

・TF セミナー「(01/08) PowerShell によるサーバー管理」 - Server Core の環境設定
 http://edge.technet.com/Media/TF-PowerShell-01/

・TF セミナー「(02/08) PowerShell によるサーバー管理」 - Server Core の環境設定
 http://edge.technet.com/Media/TF-0208-PowerShell--Server-Core-/

・TF セミナー「(03/08) PowerShell によるサーバー管理」 - Server Core の環境設定
 http://edge.technet.com/Media/TF-0308-PowerShell--Server-Core-/

・TF セミナー「(04/08) PowerShell によるサーバー管理」 - Hyper-V の管理
 http://edge.technet.com/Media/TF-0408-PowerShell-Hyper-V-/

・TF セミナー「(05/08) PowerShell によるサーバー管理」 - Active Directory の管理
 http://edge.technet.com/Media/TF-0508-PowerShell--Active-Directory-/

・TF セミナー「(06/08) PowerShell によるサーバー管理」 - Demo-Active Directory の管理
 http://edge.technet.com/Media/TF-0608-PowerShell--Demo-Active-Directory-/

・TF セミナー「(07/08) PowerShell によるサーバー管理」 - ADゴミ箱
 http://edge.technet.com/Media/TF-0708-PowerShell--AD/

・TF セミナー「(08/08) PowerShell によるサーバー管理」 - AD属性変更の追跡
 http://edge.technet.com/Media/TF-0808-PowerShell--AD/

いずれも、PowerShellの基本や便利な使い方について日本語で詳しく解説しているので、時間のあるときにでもご覧になってほしい。

PowerShell活用は管理コンソールから

さて、いきなりPowerShellでExchange Serverの管理を開始しようと思っても、コマンドレットやその使い方を習得しなければならず、それなりに大変です。しかし、Exchange Serverはその辺が大変良くできています。

Exchange Server 2010の優れたところは、管理コンソールで操作をしたとき、PowerShellで実行するプログラムを表示してくれるのです。それをコピーしてファイル化すれば、それだけでPowerShellスクリプトコマンドのできあがりです。必要に応じてスクリプトを修正して、さまざまに応用できます。まずはできるところから使い、無理せず、しかも確実に習得していくことができます。

※ Exchange Server 2007のExchange Management Shellとの最大の違いは、Exchange Server 2007ではローカル環境で動作していたのに対し、Exchange Server 2010では一部の用途を除いて、原則、リモート環境で使うようになったことです。Exchange Server 2010自身をインストールしたサーバーPCにログオンしているときでさえ、直接Exchange Serverを操作するのではなく、ネットワーク機能を介してリモート環境でExchange Serverを管理します。逆に言えば、どのPCからでも同じ環境でExchange Serverを管理できるようになりました。