三菱自動車工業は5月24日、アイルランドのダブリンにて三菱商事の100%出資子会社であるMC Automobile (Europe)(MCAE)、三菱自動車のアイルランドにおける販売会社MMC Commercials(McL)の両社とともに、アイルランド政府ならびに同国電力供給公社ESBとの間で覚書を締結、同国で電気自動車(EV)の実証試験プログラムを開始することを発表した。

同覚書締結は、2020年までにアイルランド国内の全自動車の10%をEVにするという同国政府の掲げる目標の実現に向けた施策の一環をなすもの。アイルランド政府はすでに、電気自動車購入者に対する5,000ユーロの補助金交付や自動車登録税免除などをはじめとする各種措置の実施について発表していたが、今回の覚書締結により、今後2年間にわたり、三菱自動車のEV「i-MiEV」15台を使用した実証試験が推進されることとなる。

覚書調印式後に開かれた発表会見風景

ダブリンの街中を行進する「i-MiEV」

また、これにともないESBは、2011年末までに、アイルランド全土の3,500カ所への充電器設置および30カ所に急速充電器を設置することを計画。i-MiEVを用いることにより、全国規模の電気自動車充電インフラ構築を進めるために必要となるさまざまな情報の収集を行うとともに、その活用を図っていくこととなる。

なお、i-MiEVは、2009年7月から日本で法人を中心に販売を、2010年4月からは個人向けの本格販売を開始、海外でも複数の国と地域で実証試験が行われており、2010年末からは左ハンドル仕様車の欧州向け出荷も開始する予定となっている。