EMCジャパン BRS事業部 システム・エンジニアリング部 シニア・システムズ・エンジニア 村山雅彦氏

EMCジャパンは4月26日、重複除外バックアップ・ソフトウェア「Avamar」に、新機能として企業内クライアントPC向けの重複除外バックアップ機能「Avamar Desktop Laptop」を追加し、販売を開始したと発表した。

BRS事業部 システム・エンジニアリング部 シニア・システムズ・エンジニアの村山雅彦氏は、「企業はクライアントPCのバックアップとリカバリについて課題を抱えている」として、具体的な課題を挙げた。

「現在、クライアントPCのバックアップはほとんどがマニュアル作業であり、モバイル端末を利用しているビジネスマンが多くネットワーク経由でのバックアップがますます難しくなっている。また、モバイルユーザーは機密情報を端末に入れた状態で移動していながら、過半数がデータの保護を行っていないという実情がある。さらに、CDやDVDを使ったバックアップやサーバへのバックアップなど、クライアントPCのバックアップ方法がまちまちになっている」

企業はこうした課題を解決したいと思っていながらも、「クライアントPCのパフォーマンス低下」や「バックアップソフトのライセンス費用」などの理由から、企業は大規模なクライアントPCのバックアップに踏み切れないでいるという。

そこで同社は、重複除外技術を用いてバックアップを行うソリューション「Avamar」を活用することで、コストと手間を抑えた形で大規模なクライアントPCのバックアップを実現する同機能を提供することにした。

Avamarはネットワーク経由でデータを転送する前にソース側でデータの重複除外を行うことで、バックアップデータを削減する。これにより、ネットワークの帯域幅とストレージ容量の削減、バックアップにかかる時間の短縮を実現する。 今回、こうした重複除外機能に、クライアントPCのための機能が追加された。

データセンターに加え、クライアントPCのバックアップが可能になったAvamar

具体的には、クライアントPCのバックアップのための設定を行うGUIベースのツールが追加された。同ツールではクライアントPCへエージェントのインストール、ポリシーベースの管理、バックアップの設定、リストアの設定などが行える。

エンドユーザー自身がバックアップやリカバリが行えるよう、インタフェースは直感的な操作が可能になっている。例えば、リカバリしたファイルを検索することができ、オンライン・ヘルプが充実している。「Avamarを使えば、エンドユーザーが簡単に自身でバックアップやリカバリが行えるので、ヘルプデスクやIT部門に負担がかからない」と同氏。

Avamarのトップ画面(左)とリカバリを行うための画面(右)

さらに、Avamar Desktop Laptopはクライアント・ライセンスが無償なので、大規模なクライアントPC環境でもライセンスコストを気にしなくよい。

また、クライアントPCにインストールするエージェントは5MBのメモリ領域に格納されているので、PCやネットワーク帯域に負荷をかけることなくバックアップ/リカバリが可能だ。

Avamar Desktop Laptopに対応しているクライアントPCの稼働環境はWindows Vista SP1以降、Windows XP SP2以降 で、Windows 7は近日対応が予定されている。対応可能な台数は1システム当たりクライアントPC5,000台までで、クライアント・ライセンスは無償。

Avamar Desktop Laptopが含まれているAvamarソフトウェアの価格は186万5,000円(1TB容量ライセンス)から、Avamarソフトアプライアンスとハードウェアをパッケージしたアプライアンス「Avamar Data Store」は343万5,000円(容量1TB)からとなっている(いずれも税込価格)。