ソニックウォールは3月10日、都内で記者説明会を開催し、2010年度の事業戦略と新製品を発表した。今年度の同社の事業戦略は「グローバルネットワークのためのダイナミックセキュリティ」で、これを実現する新製品として、仮想アプライアンスとアプリケーション・ファイアウォールが紹介された。

米SonicWALL ワールドワイド担当バイスプレジデントを務めるマービン・ブラフ氏

米SonicWALL ワールドワイド担当バイスプレジデントを務めるマービン・ブラフ氏は、「世界中の顧客のネットワークを保護するため、セキュリティソリューションは動的かつグローバルに対応できなければならない。それには、脅威や防御に関する情報をリアルタイムで把握するとともに、それらを共有して、攻撃の発生を予測して未然に防止することが大切。さらに、これらはコストを最大に抑えたうえで実現される必要がある」と説明した。

同社は世界中のネットワークから脅威に関する情報を収集し、世界に広がる顧客を保護するために、「SonicGRID」というネットワークを活用している。SonicGRIDは同社のハードウェアとソフトウェアから構成される。

「SonicGRIDでは、1日に350万のウイルスをゲートウェイで対処し、1日に310万のマルウェアをブロックしている。当社の顧客の数は150万社に上るが、SonicGRIDを用いて、これらすべての顧客に対し必要な情報を配信し、保護することができる」

また同氏は、今月米国で開催されたセキュリティカンファンレンス「RSA Conference 2010」で披露された新製品の紹介も行った。

新製品の1つは仮想アプライアンスだ。同製品はVMwareの仮想環境に合わせてあらかじめインストール/設定が行われたソフトウェアアプライアンス。同製品は、グローバル規模のマネジメント、レポーティング、メールセキュリティ、SSL VPN、Webアプリケーション・ファイアウォールといった機能を提供する。

もう1つの新製品はアプリケーション・ファイアウォール「SonicWALL NSA E8500」だ。同製品は、8.0Gbpsのステートフル・インスペクション、3.5GbpsのIPS、2.0Gbpsのアプリケーション制御と、各種制御についてギガビットのスループットを実現する。「最大の特徴は1,100を超えるアプリケーションを検出・分類・制御できる点」と同氏。加えて、同製品はネットワークトラフィックを可視化するツールを備えている。

日本市場向けの施策としては、品質管理への投資の継続、新製品導入の加速、トレーニングと認定プログラムの整備が挙げられた。日本オフィス代表のマイク小池氏は、「日本向けのCSSAトレーニングは英語版をローカライズしたものであり、英語版と同じ内容。ユーザーにわかりやすくするため、日本語化を行う。これにより、エンジニアの層を広げていきたい」と説明した。

4日にはNECネッスエスアイとサポートパートナーシップを締結したことが発表されたが、これは大規模な案件に対応するための策だという。