セイコーインスツル(SII)は、主に半導体の製造を行っている同社高塚事業所にて使用している温室効果ガス(代替フロンなど3ガス)の排出抑制設備を導入、2010年4月からCO2換算排出量を90%削減させることを発表した。

温室効果ガスの排出抑制設備を導入したSIIの高塚事業所

半導体やLCDの製造では、代替フロンガスであるSF6、HFC、PFCなどが製造プロセスとドライクリーニングなどの用途に用いられているが、一般的には脱ガス装置を経て、大気中に放出されている。代替フロンはオゾン破壊効果はフロンガスに比べ低いものの、高い温室効果を有しており、京都議定書による削減対象にも含まれている。

同社にて温室効果ガスを生産工程で使用しているのは、半導体製造の前工程を担当している同事業所のみであり、これらのガスの内、地球温暖化係数(GWP)の高いSF6、C2F6の分解処理を実施することを目的に、処理設備を設置、試運転を開始したという。

設備として電熱式除外装置を選択したことでエネルギー起源のCO2を抑えることに成功したという。また、排出抑制装置の前段に多数台一括処理を可能にする設備を導入。これにより抑制装置の設置台数の削減と工程で使用するN2ガスの再利用を可能とした。

同社では、これらの取り組みにより、同事業所の温室効果ガスをCO2換算で従来排出量比で90%、年間約2万tの削減が可能になるとしている。