ソニックウォールは1月20日、ホームオフィス・小規模ネットワーク向けUTMアプライアンス「SonicWALL TotalSecure TZ 100シリーズ」を発表した。同製品のラインアップとして無線LANに対応したモデルも提供される。

ソニックウォール ジャパン代表 マイク小池氏

ソニックウォール ジャパン代表を務めるマイク小池氏は、「TZ 100シリーズの投入により、市場拡大が見込まれるSMB市場でのシェアを増やしていきたい。今回無線LANに対応したモデルを投入するが、米国ではシェアの30%が無線LANに対応した製品となっており、日本でもこの動きに追随していきたい」と語った。

同製品は「TotalSecure TZ 180」(10ノード)サポートの後継機種だ。TZ 180に比べ、同製品はサポート可能なノード数が無制限となったほか、標準で搭載されるOSがSonicOS Enhancedにアップグレードされ、UTMのスループットが2.5倍向上した。

ソニックウォールの小規模向けUTMのラインアップ

特徴の1つが、大規模ネットワーク向けUTMに採用されているアンチスパム技術「Comprehensive Anti-Spam Service」を利用可能な点だ。システムエンジニアの澁谷寿夫氏は、「他社のUTM製品ではスパム判定をシグネチャを用いて筐体内で行うことが多い。これに対し、Comprehensive Anti-Spam Serviceではネットワークを介し、Advanced Reputation Managementによりベイズ解析が行われる。この技術により、米国では接続の段階で80%のスパムメールをブロックできている」と説明した。

Comprehensive Anti-Spam Serviceの仕組み

同技術は、今後リリースが予定されている「SonicOS 5.5」に搭載される新機能でもある。そのほか、SonicOS 5.5の新機能としてEクラスにおけるActive-Active構成のサポートが紹介された。

無線LANモデルのTotalSecure TZ 100 Wirelessは802.11b/g/nをサポートする。同社はこれまで無線LANに対応したUTMを販売したことがあるが、思ったほど拡販しなかった。

こうした経緯の下、今回あらためて無線LAN対応モデルの販売に踏み切った理由について、同氏は「以前、無線LANに対応したUTMは低価格の無線LANアクセスポイントと比較検討されることが多かった。今回は、UTMに通信手段として無線LANが付属しているという姿勢で販売していく。まずは"UTM+無線LAN"という市場を形成していきたい。また、その価値はあると見ている。こうした姿勢は、有線LANモデルと無線LANモデルを同価格で提供している点にも示されている」と説明した。

価格は、無線LAN非対応のTotalSecure TZ 100、無線LAN対応のTotalSecure TZ 100 Wirelessともに11万4,000円だ。ただし、TotalSecure TZ 100 Wirelessは発売より3ヵ月間のみキャンペーンとしてこの価格で販売される(同モデルの販売は今春以降の予定)。また、Comprehensive Anti-Spam Serviceの価格は7万8,400円(10ユーザー)からとなっている。

TotalSecure TZ 100(左)とTotalSecure TZ 100 Wireless(右)