帝国データバンクは12月21日、全国約2万社の企業に実施したアンケート「2010年の国内経済活性化への道筋」と「国内経済復活のカギ」の結果を発表した。また、2010年の「グッドシナリオ」、「バッドシナリオ」についても調査が行われ、企業が描く2010年の姿が業界別にまとめられている。

2010年の国内経済を活性化させることが期待できる分野については、全体の約8割に当たる6,996社が「環境・エネルギー分野」と答え、トップとなった。太陽電池、燃料電池、エコカー、エコ家電などの製品の国内外における普及に加え、それらを用いて環境対策における世界のリーダーとなることが期待されていると、同社では分析している。

2010年の国内経済を活性化することを期待できる分野 資料:帝国データバンク

ただし、企業の規模別で見ると、「環境・エネルギー」や「医療・健康」を回答した企業は大規模と中規模が多いのに対し、小規模企業は「ものづくり」分野への回答が他の企業よりも多いなど、分野によって温度差が見られる。

企業規模別に見た2010年の国内経済を活性化することを期待できる分野 資料:帝国データバンク

また、国内経済復活のカギについても、「環境・エコ」と回答した企業が72.9%に上り、第1位となった。期待している分野同様、この問いにおいても企業規模で回答に差が見られ、海外展開を行っている企業が多くないと考えられる小規模企業では「中国・アジア」というの回答が少なかったのに比べ、「ニッチ・専門化」が進むことに期待が込められていると、同社では見ている。

2010年の国内経済復活のカギになると考えられるもの 資料:帝国データバンク

企業規模別に見た2010年の国内経済復活のカギになると考えられるもの 資料:帝国データバンク

2010年のグッドシナリオとしては、日本が環境エネルギー分野において技術を供与することで世界をリードするとともに、モノづくり日本の復活を望む声が多い。一方、バッドシナリオとしては、円高やデフレスパイラルによる消耗戦突入に強い懸念を示す企業が多い。