米Intelと米Advanced Micro Devices (AMD)は11月12日 (米国時間)、市場独占や特許クロスライセンスなどを含む、両社間で係争中の問題について包括的和解合意を発表した。

合意では、IntelがAMDに12億5,000万ドルの和解金を支払い、また公正な商行為の順守を約束した。この結果、AMDは米デラウェア連邦地方裁判所および日本での2件を含む、両社間のすべての訴訟を取り下げる。クロスライセンスについても両社は過去の契約違反の申し立てを取り下げ、新たに5年間のクロスライセンス契約を締結した。

AMDは2005年、米Intelが米独占禁止法に違反する行為を繰り返しているとして、デラウエア連邦地方裁判所に損害賠償を求める訴訟を起こした。日本国内でも同様に2件の損害賠償訴訟を提起。Intelは公正なビジネス慣習を主張していたが、今年5月に欧州委員会(EC)がEC条約の独禁法違反でIntelに対して10億6000万ユーロの制裁金支払いを命じたほか、今月5日にはニューヨーク州も独禁法違反の疑いでIntelを提訴した。こうした規制当局からの追及激化が、AMDとの関係修復にIntelを動かした可能性が高い。クロスライセンスについては、2001年にIntelとAMDが締結した契約をGLOBALFOUNDRIESに適用するのは合意違反であるとIntelが指摘していた。

「過去に2社は厳しい関係にあったが、この合意により法的な争いが終結し、それぞれが技術および製品開発に全力を注げるようになる」と、両社は共同で声明を出している。

和解合意に伴い、Intelは2009年10-12月期の業績見通しのアップデートを発表した。AMDへの和解金支払いは10-12月期に組み込まれ、これによりR&D(研究・開発費)およびMG&A(マーケティング・一般管理費)支出の見通しが29億ドルから42億ドルに引き上げられた。26%だった課税率見通しは20%になる。その他の数字に変更はない。