NECエレクトロニクスは11月12日、高機能電力メータであるスマートメータ向け8ビットマイコン4品種を製品化、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。量産開始時期は2010年6月を予定しており、量産規模は2011年度に4品種合計で月産150万個を計画している。
製品化されたのは、中国などで採用されている単相2線式向けに外部接続端子が64本の「78KO/LE3-M」2品種、日本や北米で採用されている単相3線式向けに外部接続端子が100本の「78KO/LG3-M」2品種で、サンプル価格は内蔵しているメモリの用量により異なるが、60KBのフラッシュメモリおよび2KBのRAMを搭載した「μPD78F8055」が800円としている。
4製品は、24ビットΔΣ型A/Dコンバータ(ADC)に加え入力信号のズレを補正するキャリブレーション機能や電力演算機能を専用回路として内蔵することで、セットメーカーのソフトウェア開発負担を軽減しつつ、日欧中の電力メータ規格準拠の有効電力測定誤差0.1%を実現している。
また、停電や電流/電圧ピーク検出機能を搭載した電力品質測定回路、積算電力の改ざんを防ぐアンチタンパ回路を搭載するなど、スマートメータの主要機能を1パッケージで実現できる構成になっている。
なお、2010年1月からは、これらの製品にスマートメータに対応した通信機能を備えたソフトウェアを評価ボードと共に提供予定としている。これにより、従来は機械式メータを製造していたセットメーカも短期間でスマートメータの製造が可能になるとしている。