東芝ソリューションと東海大学は、組み込みソフトウェア技術者の育成に関する産学連携の覚書に調印したことを発表した。

デジタル機器の増加に伴い、商品の差別化、商品力の強化のために組み込みソフトの役割は増加しているものの、その開発を支える人材の育成は思うように進んでいないのが現状である。組み込みソフトの開発者には「ハードウェア目線でソフトウェア」を開発し、「ソフトウェア目線でハードウェア」を考えられる知見が求められるが、こういった知見は一般的なソフトウェア開発の教育だけでは育成が難しいのが実情であった。

これまで、東芝ソリューションと東海大は、東芝ソリューション独自の組込技術者育成機構「エンベデッドアカデミー(EA)」の初級講座のカリキュラムを共同で開発・開講するなどの協力関係を築いてきたが、今回の調印によりその関係をさらに発展させ、双方の人材育成策の強化を図ることとなる。

これにより、東海大のカリキュラムをEAへ移転、EAで研修した結果を東海大へフィードバック、カリキュラムを評価・改善し、再度EAへ移転、というサイクルが形成されるようになるほか、同サイクルを他の企業や地域の大学へも共同で移転することで、組込技術者育成の強化を国家そのものとして行っていくという。

また、東芝ソリューションで開発中のツールの応用研究、スキル獲得手法の共同研究を行うことで、ツールの国際展開の可能性の創出も行っていくとしている。

今後は、教育ドキュメントの共有や貸与・借用によるコスト削減、出張授業や企業講座開設などによる人材交流施策なども企画し、より密な関係を構築していくほか、国内で組込技術教育を実施している教育機関に対し、同産学連携の実績を基にリーダーシップを発揮していくことを目指すとしている。