IDEとしての機能を洗練させることで生産性の向上

2つ目のテーマである「生産性とテスト」については、IDEとしての本質とも言える部分である。この点についてはこれまでのバージョンでも力を注いできたが、Flash Builder 4ではそれをより洗練させることを目指したとのことだ。具体的には、主に以下の4つの点について拡張が行われているという。

  • コーディング
  • ネットワークモニタ
  • ユニットテスト
  • デバッグとプロファイリング

コーディングについてはエディタの機能向上が図られているほか、ステータスビューやコードヒントなどのプログラミングを手助けする機能がより充実している。ネットワークモニタは、文字通りネットワークの状態を可視化するツールである。これによってHTTPやSOAPやAMF、XMLなどの通信を利用するアプリケーションにおいて、ネットワーク上で何が起こっているのかを正確に把握することができる。

ユニットテストでは、新たにFlexUnit 4がサポートされた。FlexUnit 4は、FlexやActionScript 3で作られたアプリケーションのための、JUnit4ライクなユニットテストフレームワークである。これによりFlashを用いたアプリケーションにとって最適なテストを行うことができるようになるという。デバッガやプロファイラも拡張されており、テストからメンテナンスまでを一貫してサポートできるツールとなっている。

データ中心型アプリケーション開発のサポート

データ中心開発とは、まずアプリケーションで利用するデータやその流れを定義し、それを中心としてロジックを構築していく開発スタイルである。実際の開発の現場では、すでにデータベースなどに用意されたデータを利用してアプリケーションを作成するようなケースも多い。また、アプリケーションによってはデータの流れそのものがロジックとなっている場合もある。そのようなケースにはデータ中心開発を考える必要がある。

Flash Builder 4では、ツール側からより強力にデータ中心開発をサポートすることを目指したとのことで、以下のような拡張が行われている。

  • 共通のモデルで複数のバックエンドをサポート
  • ページングやデータ同期などの自動化
  • データ管理機能の簡素化
  • データ可視化のためのUI生成

Flash Builder 4を利用すれば、複数のサービスで提供されるデータを共通のモデルで利用することができる他、各種データモデルのデザインをサポートする機能が充実しているとのこと。またデータを中心としたUIの生成にも対応しており、たとえばデータを元にして自動的にフォームやチャートなどを生成したり、データとUIのバインディングを容易に定義することなどが可能となっている。

Flash Builder 4 beta 2はAdobe Labsサイトのこのページよりダウンロードして試すことができる。また、Flash Catalyst beta 2はこのページにて公開されている。Adobeでは、Flash Builder 4とFlash Catalystを用いた新しい開発ワークフローについて、事例に基づいたベストプラクティスを積極的に公開し、導入をサポートしていくとのことである。