ソフトバンクBB 取締役 常務執行役員 コマース&サービス統括 溝口泰雄氏

間接材購買のアウトソーシングサービスとして展開しているソフトバンクBBの「パーチェスワン」。その拡充を知らせる発表会が10月2日に開催された。本稿では、拡充内容に触れながら、パーチェスワンの概要を紹介する。

パーチェスワンは、見積取得、請求、支払いなど、間接材に関する購買業務を請け負うサービス。文具・事務用品から、理化学器械、電子部品、試薬まで、さまざまな分野のサプライヤと契約し、270万点以上の品目を専用Webサイトにてカタログ販売している。また購買機能だけでなく、納品検品機能や、履歴管理機能、ユーザー企業の運用フローを反映させた申請・承認機能なども用意されている。

パーチェスワンの特徴

間接材購買業務のアウトソーシングを標榜するパーチェスワンでは、取り扱い品目の拡充と購買コストの削減に力を入れている。品目については、今回、「工場・研究所向け資材」を注力分野として挙げ、試薬販売のシグマアルドリッチジャパン、工業用電子部品販売のアールエスコンポーネンツ、製造業向け間接資材販売のMonotaRO、半導体・電子部品販売のチップワンストップ、工業用品・安全衛生保護品販売のミドリ安全のサプライヤ5社をパートナーに加えた。サプライヤ数は合計12社となり、213万点超の品目が追加された。

パーチェスワンに登録済みのサプライヤ

一方、購買コストの削減に関しては、独特のコンサルティングサービスにより実現している。まず、サービスを契約したバイヤ(ユーザー企業)に対して、ソフトバンクBBが主な購入品目や価格、担当サプライヤーなどの調査を導入時に実施。その結果を参考にパーチェスワンでの主要取引品目を各バイヤに合わせてカスタマイズする。この際、各製品の価格は現在よりも安価(もしくは同額)になるよう相談しながら設定する。価格交渉等はソフトバンクBB側で請け負うことになる。

ソフトバンクBB コマース&サービス統括 パーチェスワン事業推進室 室長 米谷雅之氏

導入時に決められた内容は1年ごとに見直しが行われる。ソフトバンクBB コマース&サービス統括 パーチェスワン事業推進室 室長 米谷雅之氏は、「サービス提供期間が長くなれば、サプライヤーの選定も含め、バイヤーに対してより良い提案が行えるようになる」と言い、過去データの分析を続けながら間接資材の最適化を常に図っていることを説明した。

また、カタログに掲載されていない品目に関しては、グループ会社のディーコープが提供する「見積@Dee」で相見積もりをとり検討を行う。見積@Deeは、8000社以上の登録サプライヤを抱える見積もり購買サービス。多くのサプライヤから短期間に見積もりが得られるため、購入コストの削減という点で大きな効果があるという。

パーチェスワンの取り扱い品目(パーチェスワンのWebサイトから)

ソフトバンクBBでは、サービスレベルのさらなる向上を図るために、今後もサプライヤの増強を進めていくとしている。同じ分野のサプライヤ重複も許容する考えで、すでに文具・事務用品で、カウネット、志正堂、富士ビジネスの3社がパートナーに登録されている。その理由について米谷氏は、「バイヤの中には、価格もさることながら、パートナーを気にする方が多い。これまでのサプライヤを変更したくないという意見をいただくことが少なくなく、そうした要望に応えるためにもサプライヤの増強は不可欠となる。各バイヤが現在お付き合いしているサプライヤがパーチェスワンのパートナーに含まれていれば、それまでのサービスレベルが確実に維持されるうえ、足りない品目を他のサプライヤで補うというかたちでプラスαのサービスを提供することができる」と説明した。

なお、バイヤがパーチェスワンの利用に必要なコストは初期費用の150万円のみ。システム利用料も不要で、資材購入の手数料は導入時に設定した価格に含まれる。また、品質保証等のアフターサービスは各サプライヤから直接行われる。