よく言われる"英語の4つの技能" - 読む/聞く/話す/書く - の中でも、書くという能力は身につけることがきわめて難しい(日本語でもそうかもしれない)。英文ライティングに苦労している向きのために、「Shine」というサイトに掲載されている「良いライティングのための5つの秘訣(原題: 5 tricks for wicked good writing)」という記事を紹介しよう。

元Wired magazine誌の編集者のConsstance Hale氏が、Eメールやカバーレター、ビジネスの宣伝の文書などで使える、良い文章の書き方の秘訣を明かしたものである。英語でのライティングについて書かれてあるが、日本語でのライティングにも通じるものがあるので、参考にしたい。

秘訣1: 専門用語ではなく、ちゃんとした言葉で書く(Write in English, not Jargon)

読み手がどんな人であろうと、専門用語に走らず、伝わりやすい美しい言葉を使おう。また、すぐに思いつくような陳腐な言葉を使ってはいけない。たとえば"the end user"よりも、"a person at a computer"のほうがいい。比喩を使うのもいいが、オリジナルのものに限る。

秘訣2: 具体的な名詞を使う(Use specific, concrete nouns)

文章において名詞は基本である。最もイメージが伝わり、かつ、正確な名詞を選ぼう。たとえば、houseという名詞を使うとき、cottage(小別荘)、shack(丸太小屋)などの選択肢も検討する。だが、抽象名詞をたくさん使うのはやめたほうがいい。たとえば校長先生が保護者に向けて「子どもの文章能力向上」を促したいのであれば、「コミュニケーションおよびファシリテーションスキル開発への介入(communication facilitation skills development intervention)」を勧めるよりも、「お子さんがより良い文章を書けるよう手伝う(to help kids write better)」ようお願いすべきだ。

秘訣3: 動きのある動詞を使う(Pick action-packed verbs)

英語の場合、動詞は静的(be, seem, becomeなど)か動的(whistle, waffle, wonderなど)かのどちらかである。文章を書く際、最初は静的動詞を多用しがちなので、"is"だらけの文章になる。しかし、動的動詞にはアクションとパワーがあるので、推敲のときに静的動詞を見直そう。

秘訣4: ムダを省く(Avoid fluff)

良い名詞を使うと形容詞が不要になる。また、良い動詞を使うと副詞なしで文章が書ける。また、あいまいな前置詞句は置き換えられないか検討しよう(たとえば、"in the eye of my mind"を"in my imagination"にする、など)。

秘訣5: 適切な口調で(Find the right pitch)

ライティングとは会話である。読者とどのような関係になりたいかを考えよう。あなたは権威者と見られたいのか、それとも、賢い友人と見られたいのか。専門家と見られたいなら、命令形で書けばあなたの自信を伝えられる。インフォーマルな二人称として"you"を使うと、友好的な感じになる。"we"を使うとあなたが読者と共に歩もうとしていることが伝わる。