経済産業省は10月1日、2013年度に改訂予定の「電子政府における調達のための推奨すべき暗号のリスト」(以下、電子政府推奨暗号リスト)に新たに掲載する暗号技術の公募を開始すると発表した。

電子政府推奨暗号リストは、電子政府利用等に資する推奨暗号技術のリストアップを意図して、「10年間は安心して利用できる」という観点で選定された暗号技術の一覧。経済産業省及び総務省が管轄するプロジェクト「CRYPTREC(Cryptography Research and Evaluation Committees)」によって2003年度に発表され、同プロジェクトのWebサイトにて公開されている。

経済産業省と総務省では、昨今の暗号解析/攻撃技術の高度化を受け、電子政府推奨暗号リストの改訂に向けた検討を進めており、中央大学教授の今井秀樹氏を座長とする「暗号技術検討会」にて「電子政府推奨暗号リストの改訂に関する骨子(案)」を作成して公開。それに寄せられた意見を反映させるかたちで、CRYPTRECが「電子政府推奨暗号リスト改訂のための暗号技術公募要項(2009年度)」を作成し、今回の公募開始に至った。

公募の対象となる暗号技術は次の4種別。

  • 共通鍵暗号技術
  • メッセージ認証コード
  • 暗号利用モード
  • エンティティ認証

応募は、2009年10月1日から2010年2月4日17時まで、CRYPTREC事務局にて受け付けられる。その後は、2010年3月2日~3日に応募者が技術の内容を説明する「応募暗号説明会」が開催され、2010年4月~2011年3月に第1次評価を実施。2011年4月~2012年3月に第2次評価が行われ、両審査を通過した技術は、2013年2月頃に発表予定の次期電子政府推奨暗号リストに掲載される。