超先端電子技術開発機構(ASET)、住商情報システム、NEC、富士通は、経済産業省からの委託研究「セキュア・プラットフォームプロジェクト」の技術を利用した実証実験を行うと発表した。

「セキュア・プラットフォームプロジェクト」は、サーバ統合に必要な仮想サーバ環境の安定性と安全性の強化に関する研究で、経済産業省からASETが委託を受け、組合員である富士通とNECが研究開発を行った。

企業においては、コスト削減を目的とするサーバ統合が注目されているが、

・ハードウェアの障害やセキュリティ事故が発生した場合、被害が同一機器上の全ての仮想サーバに拡大する恐れがある
・システムに必要なソフトウェアの導入・管理を個別に行っているために、セキュリティ設定作業が複雑化し、設定ミスや漏れが起こるなど、内部統制の徹底が困難

といった課題があり、「セキュア・プラットフォームプロジェクト」では、これらの課題を解決する研究・開発を行った。

そして、仮想サーバ間に強固な隔壁を設けることにより、障害や性能等の問題が発生しても、隔壁が被害を仮想サーバ毎に局所化して被害が拡大しないようにする技術や、仮想サーバ/OS/ミドルウェア/アプリケーションに渡るシステム全体のアクセス権やID情報の管理と設定を統一的に実施し、遵守状況を見える化することで、設定の漏れや不整合をなくす技術をXenをベースに開発した。

システム概要図

実証実験では、住商情報システムが自社の業務システムに「セキュア・プラットフォームプロジェクト」で開発された技術を適用し、仮想サーバ上で運用する実証実験を行もので、2009年10月から開始する。

具体的には、住商情報システムが開発・提供している人事給与・勤怠管理・経費精算の3つの基幹系業務システム、および部門共通のファイルサーバを、仮想サーバ上に統合した実証実験システムを構築する。この実証実験システムでは3,000人規模の組織を想定しているという。