撮り溜めた写真作品、仕事で撮影したけど使わなかった写真……etc。デジタルカメラで撮影した写真は増え続ける一方なはず。けれども、いつの間にかPCの容量を占領しつつある写真を、お金に変える方法がある。そんな夢のような話しがあることをご存知だろうか?

キーワードは「ストックフォトサービス」。書籍『写真で稼ごう』(LOCUS. AND WONDERS.著/PIXTA監修/弊社刊)では、写真販売のフローから、売れる写真の撮り方まで、誰もが自身のクリエイティビティをお金に変えられる方法を丁寧に解説しています。ここでは、同書で紹介されている内容を複数回に分けて掲載。第2回は、ストックフォトの登録と、その方法について解説してみましょう。(※テキストは本書を参考にしています)


どんな人が登録して写真を売っているのでしょうか

前回に引き続き、問題です。ストックフォトサービスのPIXTA(ピクスタ)にクリエイター登録して写真を売っている人の職業(業種)はどれでしょう。当てはまると思うものを選択してみてください。

フォトグラファー/デザイン・マスコミ/アルバイト/自営業/無職/会社員・公務員/主婦/学生

正解は「すべて」です。なんと、プロのフォトグラファーの割合は7.3%でしかありません。フォトグラファーだけでなく、下図のように様々な業種の人達がクリエイター登録をして写真を売っているのです。

ただ、PIXTAの認知が高まり、売れるという評価が高まってきたためか、最近の傾向としてはプロフォトグラファーの割合が増えつつあります。PIXTAが求めるクリエイターとしては、クオリティの高い写真をアップできる方はもちろん、売れるテーマ探しを楽しめる方、売れる写真作りを楽しめる方、新しい写真との関わり方を楽しみ、取り組んでいただける方。とのことです。

登録するのに、どのような手順が必要なのか?

それでは、クリエイターとして会員登録して写真を売るまでに、どのような手順が必要なのでしょうか。会員登録から写真を現金化するまでの流れを、書籍『写真で稼ごう』の10ページから引用したフローチャートで見ていきましょう。

下記に詳細は説明しますがstep 01の「クリエイター会員登録」そのものは、インターネットに接続できるパソコンとメールアドレスさえ持っていれば出来てしまいます。ただ、少々やっかいなのがstep 02の「基本技術審査」です。今回は概要だけ説明して、次回に技術的な説明をすることにします。

Step 01 クリエイター会員登録

まずは、会員登録フォームへ移動します。「購入会員登録」と「クリエイター会員登録」のどちらかを選ぶ画面が出ますので、「クリエイター会員登録」をクリックします(購入会員登録後でも、同じアカウントでクリエイター会員になることができます。また、クリエイター会員も購入できます)。

次に、基本情報入力フォームに記入します。各入力フォームの記入例・注意事項にしたがい、すべて正しく入力して「次へ進む」をクリックすると、確認ページが表示されます。確認後、自己紹介や使用カメラなどのクリエイター情報も入力して、「送信」ボタンをクリックします。しばらくすると、登録したメールアドレス宛に認証メールが送信されますが、この時点ではまだ会員登録は完了していません。PIXTAから届いた認証メールに記載してあるURLをクリックして、はじめて登録が完了となります。

Step 02 基本技術審査

基本技術審査とは、「お手持ちの作品が販売物として成立しているかどうか」という点を確認するためのPIXTAスタッフによる審査です。3枚審査に通過すると合格となり、PIXTAで作品販売ができるようになります。基本技術審査に合格するためには、自分の中で自信のある作品を3枚選んでおきましょう。

基本技術審査を受けるには、PIXTAにログインした後、ページ右上の「マイページ」をクリックしてマイページを表示し、「アップロード」をクリックします。ここで、会員登録後に初めて基本技術審査を受けようとすると「タグ付けトレーニングを行ってください。」
というページが表示されます。「タグ付け」とは、アップロードするときにその作品のキーワードを付けることです。検索は、すべてタグを元に行われているので、どんなにすばらしい作品でも、適切なタグがついていなければ検索結果に表示されないということになります。そこで最初にタグ付けトレーニングを行なって、各作品に付けるタグを練習してもらうという仕組みになっているのです。

タグ付けトレーニングは100点満点で85点以上でないと、先に進めません。『写真で稼ごう』の100~110ページでは、タグ付けトレーニングの練習ができるようになっています。書籍を購入された方は、先にしっかり読んでおくといいでしょう。

タグ付けトレーニングを通過したら、改めて3点の作品をアップして基本技術審査を受けます。ただ、次のリストにあてはまるような作品は、PIXTAで販売できません(特に太字の項目は要注意)。


傷・ホコリ・フレア、その他映り込みなどの問題がある作品
メインの被写体にピント(焦点)が合っていない作品
圧縮率が高く画像が鮮明でない・ノイズが多い・ジャギーがある作品
ブレている作品
縦位置・横位置が正しくない作品
ホワイトバランス、ライティング、露出が適正ではない作品
商標・広告・キャラクター・ブランドが写っている作品
・トリミングが調整されていない作品
・文字・日付が入っている写真
・過度なレタッチ・フィルターを使用した作品
・著しく水平がずれている作品
・悪意、不快さや卑猥またはグロテスクさを感じる作品
・ファイル形式がJPEG以外の作品
・幅+高さが1300ピクセル以下の小さな作品(近日1300pxよりも大きなサイズに下限を変更する可能性があります)
・幅+高さが20,000ピクセルを超える大きな作品
・データサイズが30MBを超える作品
・カラースペースがRGB,sRGB以外の作品(CMYK等)
・解像度が72dpi未満の作品
・ホワイトスペースが多すぎる作品(被写体が小さすぎる)
・個人情報が写り込んでいる作品(車のナンバーやクレジットカード等)
・データが破損して確認が困難な作品
・すでに沢山ある写真は登録されにくくなっています(蓮の花、桜の花、コスモスの花、野良猫)
・多くの類似した作品(連写した作品や色違いの作品)
・その他素材として適していないとPIXTAが判断した写真(フラッシュの影が強い写真、フラッシュが反射してしまっている写真、不必要にハイコントラストな写真など)


これらをクリアしつつ、素材写真として売れるようなものを3点選んで基本技術審査を受けるのですが、審査結果は下図のように表示されます。この例では、あと1枚画像を審査にかける必要があります。何回でも挑戦したいところですが、15回を超えるとアカウント停止となることがあります。やはり初回で決めたいものです。

次回は、「どんな写真が基本技術審査に合格して、どんな写真が不合格だったか」について実際の写真を見ながら技術的な話をする予定です。

『写真で稼ごう』

毎日コミュニケーションズ
発売中
著者:LOCUS. AND WONDERS.
監修:PIXTA
判型:B5変型/128ページ
ISBN:978-4-8399-3282-4