映像配信サービス「GyaO」が全面リニューアルされる。ヤフーの子会社であるGyaOは7日、無料映像配信サイト『GyaO! Presented by Yahoo! JAPAN』および有料映像販売サイト『GyaO!ストア Presented by Yahoo! JAPAN』を公開した。両サイトを通じて、Yahoo! JAPANにおける映像配信ビジネスモデルの再構築を目指す。

9月7日から公開された無料映像配信サイト「GyaO!」。映像販売サイト「GyaO!ストア」もオープンしている

リニューアルにともない、「Yahoo!動画」は「GyaO!」へ、課金コンテンツは「GyaO!ストア」へと統合。20代男女をメインターゲットとする展開としてロゴを含めてデザインを一新し、サイトデザインは、映像コンテンツを強調するシンプルな構成に変更されている。機能やコンテンツも新たなターゲット層に訴求するものを投下するとしており、アニメカテゴリ『時をかける少女』(9/7から無料配信)、映画カテゴリ『チャーリーとチョコレート工場』(9/7から無料配信)といった人気作品、海外ドラマなど多数のコンテンツを用意した。配信は全話無料、1-3話無料/以降有料など作品により異なるとのこと。ヤフーが提供する各サービスとの連携による相乗効果も狙う。

同日都内で行なわれた記者会見の席上、川邊健太郎 GyaO代表取締役社長は、GyaO!が映像配信プラットフォームとして健全なビジネスの場となることを強調した。映像配信にはDRM機能を持つMicrosoft Silverlightを採用。コンテンツ保護の実現、マルチプラットフォーム対応による多くのユーザへのアプローチを可能にした。同技術を活用した双方向性の高い広告商品「インタラクティブビジョン」も投入し、ユーザの視聴体験を妨げないプロモーションが行なえるようになったとしている。Yahoo!動画やGyaOは、大勢に配信するテレビCM型の広告などが奏功せず収益化に苦戦した。GyaO!においては、インタラクティブビジョンのほか、露出感を高めるジャック型広告やターゲティング広告なども投入し、広告への取り組みを「すべて改めていきたい」(川邊氏)とした。

記者会見にて。左から、小田充 ワーナーエンターテイメント ジャパン ワーナー・ブラザース テレビジョン日本代表、川邊健太郎 GyaO代表取締役社長、大場章弘 マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長

GyaOのヤフー子会社化が発表されたのは今年4月。ヤフー運営の映像配信サービス「Yahoo!動画」と当時USEN運営の映像配信サービス「GyaO」を今秋をめどに統合することを表明していた。9月4日にはフジテレビジョンと日本テレビ放送網のGyaOへの出資を発表。川邊氏は会見上、違法コンテンツも包含するイメージのある"動画"を避け、"映像"という言葉を意識的に使っていくと説明した。プロの手による高品質な作品などが"映像"としており、テレビ局との連携強化はGyaO!のビジネス強化にとってポイントとなる。「TBSオンデマンド」からの作品提供のほか、「テレ朝動画」も提供を予定している。リニューアル当初の番組数は無料・有料合わせて約2,700。同社は事業目標について、「2010年の早い段階での単月黒字化」(川邊氏)を目指したいとしている。