アイピーコア研究所は、太陽電池で動作可能なCO2排出ゼロのサーバならびにデータセンター(DC)向けとして19インチラックへの搭載率100%を目指したサーバを開発、2製品ともに販売を開始したことを明らかにした。

太陽電池での動作が可能なサーバ「NX51」は、従来サーバでは100Wが必要とされていたところを、Atom Z530(1.6GHz)を用いることで、従来機比1/10以下となる10Wでの動作を実現。これにより、poly-Siの太陽電池の日本での年間稼働平均を考慮した発電能力(12W/m2)と2次電池とを組み合わせることで24時間×365日、CO2の発生をゼロにすることが可能になるという。

太陽電池での動作が可能な省電力サーバ「NX51」

1リットルのBOX型を採用した筐体を採用、約800gの重量を実現している。また、産業用コンピュータ仕様を採用したほか、専用システム構築用のコンパクトフラッシュおよび汎用サーバ用のSSDを標準で採用したことで、駆動部分がないシステムの構築が可能となっている。さらに、データセンターの19インチラック搭載時はラックに約250台、消費電力2.5kVAとなっている。

価格はオープンで、エンジニアサンプリング価格は20万円(税別)となっており、9月末より出荷を開始する予定。今後3年間で2万台の販売を目指すとしている。

一方の19インチラックへの最適化が図られたデータセンター向けサーバ「NX120」は、19インチラックへのサーバ実装率を最大限にすることを目指したサーバで、CPUは「Core 2 Quad 9550S」もしくは「Xeon L3110」を採用。一般的な1Uサーバの1/2~1/3の筐体サイズに収まる産業用マザーボードの採用と、建築の壁加重構造を応用し強度を増したジェラルミン筐体を採用したことで、一般的な1Uサーバの約1/2となると重量4kgを実現している。

データセンター向けサーバ「NX120」

また、ネットワーク、電源、I/Oなどのすべてのインタフェースを前面に設置することで、ラック両面からの実装を可能としており、片面で40台(350kg/m2の床にフル実装が可能)、両面で80台(500kg/m2の床にフル実装が可能)の実装が可能となっている。

価格はCore 2 Quad、Xeonいずれもオープンで、9月末からの出荷開始の予定となっており、IDCに設置するホスティングサーバ、アプリケーションサーバ、SaaS用サーバとして今後2年間で2,000台の販売を目指すとしている。