帝国データバンクは8月10日、上場廃止企業の実態に関する調査結果を発表した。同発表によると、2009年の場廃止企業(重複上場分を除く)の数は7ヵ月間で110社となり、過去最高のペースを記録している。2005年から2009年7月末までの上場廃止企業は、延べ649社。

今回の調査は、2005年から2009年7月末までの上場廃止企業について、企業・市場の開示情報、資料などを基に調査・分析を行い、併せて上場廃止後の倒産企業の調査・分析を実施したもの。

市場別では、東証1部の191社が最高で、ジャスダックの162社、東証2部の84社が続いている。2009年に入り、東証マザーズの11社、大証ヘラクレスの13社は既に最高を記録するなど、新興市場の増加ぶりが目立つ結果となっている。大証2部も11社で最高となった。

上場廃止企業の推移(2005年~2009年) 資料:帝国データバンク

上場廃止理由で見ると、完全子会社化の341社が最高で、株式の全部取得の80社が続いている。2008年・2009年は上場企業倒産の増加に伴い、経営破綻が急増し、合計で72社に上った。経営破綻を理由とする上場廃止企業の上場期間は、モリモト(2008年11月、民事再生法、東証2部)の10ヵ月が最短で、エルクリエイト(2008年10月、破産、ジャスダック)の1年2ヵ月」、ゼクー(2005年6月、破産、東証マザーズ)の2年4ヵ月が続く。

なお近年、上場廃止後の企業倒産は増加傾向にあり、2006年以降のその数は9社に上る。上場廃止理由は虚偽記載が4社、監査意見不表明と債務超過が2社、時価総額基が1社だった。また市場別で見ると、ジャスダック・東証マザーズ・東証2部が各2社、東証1部・大証2部・大証ヘラクレスが各1社となった。

2009 年の主な上場廃止企業 資料:帝国データバンク