米Yahoo!は7月21日(現地時間)、2009年第2四半期(4-6月期)決算を発表した。同四半期の売上は15億7300万ドルで前年同期比13%のダウン、純利益は1億4100万ドルで8%のアップとなった。コスト削減策が奏して利益率が上昇しているものの、不況を反映してディスプレイ広告と検索広告ともに減少し、売上の落ち込みにつながった。またYahoo!は同日、同社ホームページの大幅リニューアルも発表している。
急成長を遂げていたライバルの米Googleが16日の第2四半期決算で売上成長率鈍化を発表するなど、厳しい情勢の続くなかでは健闘したといえるかもしれない。人員削減がコスト圧縮の主な要因となっているが、一方でページビュー全体は順調に伸びており、今後は営業を中心に人員追加を計画しているほか、後述のホームページのリニューアルやブランディング・キャンペーンを展開してユーザーの伸びを利益に変える戦略を推し進めていく計画だという。米Yahoo! CEOのCarol Bartz氏は「Yahoo!のビジョンはシンプルで、人々の生活の中心にオンラインを持ち込み、驚きの体験を提供していくこと」と述べており、これが長期的に成長戦略へとつながっていくと確信しているという。
Yahoo!の攻めの戦略の第1弾となるのがホームページの大幅リニューアルだ。これは共同創業者で前CEOのJerry Yang氏の指揮の下で実施されていたプロジェクトで、内部的には「Metro」のコード名で呼ばれていたもの。その最大の特徴はカスタマイズ性にあり、ホームページのメニュー構造を自由に組み替えて、好きなアプリケーションを配置できる。このアプリケーションはYahoo!製サービスだけでなく、eBayやTwitterのほか、ライバルであるGoogleのGmailなどのサードパーティ製のものも組み合わせることが可能。ページ自体も以前と比較してシンプルな構造となっており、まさにデスクトップ的な感覚で作業をするための統合ダッシュボードとして機能する。決算発表の行われた21日早朝の時点で米国と英国でのリニューアルが実施され、数日中にもフランスとインドでも実施される予定。なお複数のメディアの報道によれば、本来のリニューアル時期は9月または10月を予定していたようだ。
Yahoo!に関してもう1つのトピックが、Microsoftとの提携だ。今回の決算報告ではQ&Aの時間を含めて言及がなかったものの、コラムニストのKara Swisher氏は今週中にも何らかのアクションがあると報じている。噂レベルではあるものの、今週23日(現地時間)に予定されている米Microsoftの決算報告で何らかの発表が行われるのではないかとみられる。