Juan Rada氏
Oracle, Senior Vice President, Public Sector, Education and Healthcare, Industries Business Unit

プロプライエタリな世界からオープンシステムへ - 世代を追うごとに変化を続けてきたコンピュータ技術は、企業システムをはじめ、さまざまなITインフラの近代化を進めてきた。基幹システムの効率化だけでなく、CRMの導入やサプライチェーン改善など、効率化から新たな利益を生み出すシステムが次々と誕生している。企業システムの改革が続くなか、新たな業務改善の舞台として注目を集めるのが、"パブリックセクター" と呼ばれる政府や地方自治体が提供する公共システムの分野だ。

米Oracleグローバルパブリックセクタービジネス部門SVPのJuan Rada(ユアン・ラダ)氏によれば、こうした公共セクターのシステムの多くは旧式のレガシーシステムをそのまま運用に用いていることが多く、IT予算のおよそ80%がそのシステム自身の維持だけで消費され、業務改善や新サービスの開発に結びついていないという悪循環に陥ってしまっているという。レガシーなシステムからよりモダンなシステムへと移行し、システム効率化を実現することは市民への新たなサービス提供へとつながることになり、これを推し進めていかなければならないというのが同氏の意見だ。またOracleをはじめとするITベンダにとっては、既存の一般企業向け提案に加え、新たなチャンスにもつながる。今回はRada氏に公共セクターに関する問題や背景について話を聞いた。