米Wolfram Researchが開発している新検索サービス「Wolfram|Alpha」の試験公開が始まった。同社は米国時間の5月18日の正式公開に向けて同15日に最終テストを実施、問題が生じなければ同日から試験公開すると予告していた。
Wolfram|Alphaは一部で“Googleキラー”になり得ると報じられ、その実力や機能に注目が集まっていた。だが米国時間の15日夜に予定されていたカウントダウンのWebキャストがスムーズに進行せず、さらにラージスケールでのシミュレーションに失敗したという報道も加わり、一時は18日の正式公開を危ぶむ声もあった。予定より遅れはしたものの、なんとか試験サービス公開にこぎ着けたことで、期待が逆風に転じる最悪のシナリオは避けられた形だ。
Wolfram|Alphaは計算知識 (computational knowledge)エンジンである。独自のナレッジ・ベースから計算処理を加えたアウトプットを生成する。たとえば[2+9-4=]と入力すると、[7]、[Seven]、[・・・・・・・] (視覚的な表現)などの計算処理結果が返ってくる。[weather, new york]と入れれば、ニューヨークの天気情報や気象統計データが表示される。検索エンジンがクエリーを質問として理解し、その"答え"を明確に示してくれる。Googleでも[2+9-4=]や[weather, new york]と入力すると、それらの質問に対する答えが結果のトップに表示される。ただ、既存の検索エンジンで直接的な答えを得られるケースはまだ限られる。これをより幅広く実現するのがWolfram|Alphaだ。事実に関したクエリーに対して、ナレッジ・ベースのデータや計算処理に基づいた確かな"答え"をユーザーに提供する。同サービスを通じて、ユーザーは確かな知識を獲得できる。