NTTデータは5月12日、2009年3月期期末決算を発表した。営業利益率は前期比0.2%減の8.7%となったものの、受注高は前期比229億円増の1兆352億円、売上高は前期比646億円増の1兆1,390億円、営業利益は前期比26億円増の985億円と堅調な業績となった。当期純利益は前年比58.8%増の483億円と好調。

2008年の実績、2009年の実績と予想

NTTデータ 代表取締役社長 山下徹氏

同社の代表取締役社長の山下徹氏は、増収ながら営業利益率がマイナスとなった理由について「連結子会社の拡大などの影響によって増収を達成したが、案件当たりの利益の減少や顧客による値引き交渉の影響で利益率は厳しい数字となった」と説明。不況による影響は大きく、現在進めている案件のみならず、過去の案件に遡っても値引き交渉が行われているという。

「顧客とは長期的な関係を大切にしたいので、相対で取引して共に苦境を乗り切りたい。今日の事業環境は非常に厳しく、来期は長期的な成長の基盤を築く年としたい」(山下氏)

セグメント別に見ると、システムインテグレーション事業は売上高が前年比6.5%増の8,890億円、営業利益が前年比3.1%減の874億円、ネットワークシステムサービス事業は売上高が前年比3.7%増の782億円、営業利益は前年比20.6%増の5.3億円。

事業の種類別セグメントの状況

次期の業績予想については、今期に引き続き連結子会社の拡大などにより、受注高は647億円増の1兆1,700億円、売上高は309億円増の1兆1,700億円とするものの、営業利益は厳しい事業環境や一部設備サービスの減少やイノベーションプランの推進を見込んで85億円減の900億円としている。

同社は打開策として、2008年3月期から2010年3月期までを対象に中期経営方針・目標を立てていたのを、2010年3月期を初年度として2010年3月期までの4年間について「新中期経営方針」を打ち出す。同方針では、前期で掲げていた「量から質へのビジネス」という目標から「質を伴う量の拡大」にシフトアップし、2013年3月期の売上高の目標を1.5兆円としている。