マイクロソフトは4月1日、「Windows Server 2008 R2 アップグレード キャンペーン」を開始した。同社によると同キャンペーンは、現行のWindows Server最新版であるWindows Server 2008の新規導入に対する投資を保護するとともに、Windows Server 2008 R2へのスムーズな移行を支援するものという。

同キャンペーンは、指定製品の新規購入ユーザーに対するServer 2008 R2へのアップグレード権などの特別価格販売と、R2 β版の製品評価ガイドの無償ダウンロード提供の2点で構成。

特別価格販売は、期間中にWindows Server 2008 Enterpriseまたは同Standardを購入したユーザーが対象で、Windows Server 2008 R2対応エディションへのアップグレード権を含む、Windows Serverの「ライセンス & ソフトウェア アシュアランス パッケージ」(L & SA、新規購入ライセンスと保守サービスライセンスのセット)を特別価格で販売する。

対象製品と提供プログラム、価格は以下の通り。

製品名 プログラム名 参考価格(税別) 割引率
Windows Server 2008 Enterprise Select L & SA 42万6,900円 約15%
Windows Server 2008 Standard Select L & SA 13万1,400円 約15%
Windows Server 2008 Standard Open Business L & SA 16万8,000円 約20%
Windows Server 2008 Standard Open Value L & SA 19万5,400円 約20%

いずれも期間は6月30日までであり、L & SAではなくSAのみで購入する場合は通常参考価格となる。

一方、無償ダウンロード提供は4月15日から全ユーザーを対象に、同社WebサイトでWindows Server 2008 R2 β版の評価ガイドの無償ダウンロード提供を開始し、Windows Server 2008 R2の早期評価を支援する。

通常マイクロソフトでは、サーバOSを2年ごとにバージョンアップしているが、今回は通常よりも早まる見込みだ。これは、次期クライアントOSであるWindows 7の発売が近いため、それに合わせるためと思われる。なお、R2のリリース時期は現在のところ未定だ。

Windows Server 2008 R2では、Hyper-Vが2.0となり、Live Migration機能を搭載。これにより、サーバメンテナンス時に仮想マシンを停止させることなく、サービスを継続したまま他の物理サーバに移動させることが可能になる。

また、PowerShellが2.0になり、260以上のコマンドレットを新たに追加。スクリプト機能が強化されるほか、クライアント端末から複数のサーバに対してコマンドを発行することが可能になる。また、デバッグ機能を備えたGUIツールが標準で搭載される予定だ。

そのほか、支店や営業所などのブランチオフィスのパフォーマンスを向上させるキャッシュ機能(BranchCache)、Remote Desktop ServiceでVDI(Virtual Desktop Infrastructure)のサポート、自宅や外出先から専用ゲートウェイなしでアクセスできるDirectAccess機能などがサポートされる予定だ。

マイクロソフトでは、今年の1月からWindows Server 2008 R2のベータ版を提供している。なお、Windows Server 2008 R2は、64ビット版のみの提供になる。