角川映画・松竹・東映・東宝・日活の邦画5社は25日、デジタルテレビ向けコンテンツ配信サービス「アクトビラ」において、5社共同での映画配信サービス『まるまる映画』を3月26日から開始すると発表した。5社が保有する映画を監督や俳優別に特集するなど、共同事業ならではの独自の映画配信サービスを目指す。

「アクトビラ」は、アクトビラ対応テレビ向けの動画コンテンツ配信サービス。今回、角川映画・松竹・東映・東宝・日活の邦画5社は、アクトビラ向けの映画配信サービス「まるまる映画」を26日から開始する。

「まるまる映画」トップページ画面

まるまる映画は、視聴ごとに課金するPPV(ペイ・パー・ビュー)で提供。ストリーミング方式で配信し、ビットレートはHD作品が6Mbps、SD作品が3Mbps、動画圧縮方式はH.264となっている。

毎月1日に、5社が選んだ映画を6作品ずつ更新。提供期間は原則6カ月で、アクトビラのホームページから作品を購入すれば、48時間以内なら何度でも視聴できるようになっている。料金はHD作品が630円(税込)、SD作品が420円(同)。

26日から配信が開始されるのは、石原裕次郎出演の『鷲と鷹』(日活)、加山雄三出演の『大学の若大将』(東宝)などとなっている。

26日から「まるまる映画」で提供が開始される石原裕次郎出演『鷲と鷹』(日活)

25日に開かれたサービス開始の記者会見で、東宝 専務取締役 映画営業担当の千田諭氏は、配信プラットフォームにアクトビラを選んだ理由について、「映画は2時間近く視聴するものなので、PCというよりもやはりテレビで見るほうが適しているのではないかと考えた」と説明。

「東宝でも動画配信について研究を行ってきたが、角川映画や松竹でも若手が研究しており、一緒にやろうという話になった。ビジネスとしてはまだこれからだが、5社で手を携えてトライアルする熱意を感じ取ってもらいたい」と今回のサービス提供に至る過程について述べた。

記者会見後の記念撮影を行う、左からアクトビラ代表取締役社長の澤根浩一氏、日活取締役の由里敬三氏、東宝専務取締役の千田諭氏、東映常務取締役の古玉國彦氏、松竹専務取締役の野田助嗣氏、角川映画常務取締役の荻野和仁氏の6人

角川映画 常務取締役 営業統括の荻野和仁氏も、「興行・パッケージ・テレビの従来の映画事業は伸び悩んでおり、非常に厳しい状況。まるまる映画が新たな第4のマーケットになることを期待している」と話し、今後の事業展開に期待を示した。