アビーム コンサルティング プロセス&テクノロジー事業部シニアマネージャー 曽根正則氏

2010年3月期から任意適用の開始方針が示された国際会計基準(IFRSs)。2月17日に開催された第8回After J-SOX研究会の講演で、アビーム コンサルティングのシニアマネージャー曽根正則氏が、国際会計基準の動向、適用スケジュール、メリットなどについて解説した。

講演で曽根氏は、国際会計基準の特徴について、企業価値重視、企業実態の表示、グローバルスタンダードといった点があることを指摘。「適用に際しての費用負担が懸念されているが、グループ内で深化させることで、経営管理の高度化や業務効率化の実現につながる」と主張した。

実際の導入コストの例では、2002年の「ノーウォーク合意」(米国基準と国際会計基準のコンバージェンス・プロジェク確認)以降、適用を推進してきたヨーロッパのケースで、売上高650億円までの企業で7000万円強、650~6500億円の企業で1億1000万円、6500億円超の企業で4億5000万円程度だったという。

国内の適用スケジュールについては、金融庁が、米国SECの適用ロードマップに追随するかたちで、2月4日に適用ロードマップ(案)を提示した。案では、米国での動向を見ながら、連結財務諸表先行で日本でのアドプション時期が決定することになっており、2010年3月期から特定の上場会社への任意適用、強制適用は2015年4月からの見込みとなっている。

国際会計基準の国内での適用スケジュール