既報のとおり、マイクロソフトは2月20日より、全国10ヶ所でWindows 7 Enterpriseを紹介するセミナーを開催する。そこでは、エンタープライズ向けの新機能に焦点を当て、Windows 7の特徴が紹介される予定だ。同セミナー開催に先立ち、報道関係者向けに内容の一部が公開されたので、本稿ではそれをベースにWindows 7 Enterpriseの主な新機能を紹介していこう。

Windows 7 Enterpriseの特徴

企業ユーザー向けの推奨エディションであるWindows 7 Enterpriseの特徴をまとめると下図のようになるという。

Windows 7 Enterpriseの主な特徴

「パフォーマンス」「使いやすさ」「信頼性/互換性」の向上といった基本プラットフォームとしての機能強化に加えて、「生産性」「セキュリティ」「PC管理」の面で改善が図られている。

以下、基本プラットフォームの強化ポイントから順に見ていこう。

Vistaと同一カーネルを採用し、互換性確保

マイクロソフト ビジネスWindows本部 本部長 中川哲氏

Windows 7では、「Windows Vistaとの互換性確保」が大きなテーマに掲げられている。そのため、カーネルはVistaと同じものを使用しており、Vistaと同様の機構でアプリケーション/ハードウェアを管理している。

マイクロソフト ビジネスWindows本部 本部長 中川哲氏は、「『Vistaで動作しているアプリケーション/ハードウェアはWindows 7においても同様に動作する』というコンセプトの下に開発を進めている」と説明し、Vista⇒Windows 7で「98%の互換性確保を目指す」(中川氏)と、意気込みを語った。

Windows 7では、互換性確保という命題の下にWindows Vistaと同じカーネルが使われている

パフォーマンス改善 - 処理速度向上、電力消費量削減

パフォーマンス面では、「ロジックを変更することにより、起動/シャットダウンやスタンバイから再開までに要する時間を短縮している」(中川氏)ほか、ReadyBoostの強化や検索/インデックス処理の高速化などにより、随所でパフォーマンス改善が図られている。特に検索/インデックス処理の改善効果は高く、「ベータ版では38%の高速化が実現されている」(中川氏)という。

また、Windows 7では、処理速度のパフォーマンスに加えて、消費電力面でのパフォーマンスも改善されている。企業ユーザーにおいて特に需要が高いノートPCのバッテリ持続時間延長に向けさまざまな最適化が行われており、「ベータ版ではVistaに比べバッテリが20~30%長持ちする」(中川氏)という。

Windows 7のパフォーマンス面の改善ポイント。必要とするハードウェアリソースはVistaとほぼ同じ。にもかかわらず、スピードアップ/消費電力削減が実現されている

使いやすさ向上 - UI改善、検索操作性UP

使いやすさという点では、UIの改善と検索操作性の向上という2点が挙げられる。

UIでは、マルチタッチに対応したり、ジャンプリストが追加されたり、と新たな機能を多数追加。加えて、タスクバーを変更するなどの改善も図られており、ユーザーエクスペリエンスの更なる向上が実現されている。

また、検索の操作性では、インターネット上の情報とMicrosoft Office SharePoint Serverなどで管理されている社内ネットワーク内の情報をWindows Explorerからまとめて検索できるようになるほか、先述のパフォーマンス向上に加え、検索情報の関連性の強化なども行われており、「必要な情報を素早く検索できるようになる」(中川氏)という。

Windows 7の使いやすさにおける改善ポイント。マルチタッチジャンプリストなどのUIの新機能に加え、検索の操作性も向上している