日本アイ・ビー・エム(以下、IBM)は2月13日、データセンター内の空調を自動管理するソリューション「Intelligent Facility Manager」を4月1日から提供することを発表した。同ソリューションを利用することで、ホット・スポットと呼ばれる熱だまりや冷やしすぎが解消され、IT機器の安定稼働が確保されるとともに、効率の良い温度管理と省電力が実現されるという。
同ソリューションは、IBM製サーバが標準装備しているセンサーや任意の位置に設置した温度センサーからデータセンター内の温度情報を収集し、その情報をもとにサーバやラックへの給気温度が最適になるような空調制御をファシリティ管理システムに要求する。そのため、部分的な温度変化にもきめ細かく対応することが可能。空調機器に異常が生じた場合は、警告を発すると同時に、バックアップ空調機の出力を上げて異常が起きたゾーンを適正温度に管理することもできる。
同ソリューションの主な機能は以下の6点。
- データセンター内の任意の位置への温度センサーの配置
- 温度センサーとサーバの温度情報の収集と可視化
- 温度センサーとサーバの温度監視点に対する要求温度の設定
- 設定された要求温度による空調管理
- 温度異常、空調機異常への対応
- 空調機情報の収集と表示
ハイエンドサーバやストレージを中心に50台程度のラックが配置され、気流管理の最適化などによる空調効率を改善した後の環境で、同ソリューションによって空調設備制御を行った実証実験では、空調による消費電力を従来の制御方法を用いた場合よりも23%低減されたことが確認されているという。