MySQL ABの元CEOだったMartin Mickos氏(2007年7月の小誌インタビューにて撮影)

MySQL ABの元CEOだったMartin Mickos氏が米Sun Microsystemsを退職したと、2月6日(米国時間)付けの記事で複数のメディアが報じている。これは同氏が従業員らに宛てて送付したメールの内容から明らかになったもので、Sunは同日に組織改編を発表しており、MySQLを含む複数のソフトウェア製品群をまとめて1つのMySQL&ソフトウェアインフラ部門に統括している。同部門はKaren Tegan Padir氏がVPとして率いることになる。Mickos氏は2001年にMySQL CEOに就任し、2008年2月にSunによる買収が完了してからも引き続き同部門のトップとしてビジネスを率いていた。

Sunによれば今回の組織改編は「MySQLをSunの中核ビジネスに据えるため」であると説明しており、Mickos氏自身は退職について「個人的な理由」とコメントしている。実際、MySQLはSunの中で急成長しており、サポートやライセンスを含む関連ビジネスで膨大な利益をもたらしつつある。だが一方で開発者ら製品をサポートするオープンソースコミュニティとの関係や開発体制などの面で苦慮しており、既存企業がオープンソースと向き合ううえでの難しさも表面化しつつある。MySQLの元主力メンバーのうち、創業者の1人だったDavid Axmark氏は2008年10月にすでにSunを離れており、Mickos氏の件が報じられる1日前の5日にはMichael Widenius氏が「開発体制への不満」を理由に退職を報告している。