一方、安全性では、ICカードに加え、指静脈認証による多階層の入退室・アクセス管理が行われているほか、サーバルームには死角がないかたちで監視カメラが配備されており、その映像は3ヶ月間保存される。また、超高感度の煙検知システムが備えられ、火災発生時には窒素ガス消火設備が作動し、電子機器への影響を最小限にとどめるかたちで消化処理が行われる。

データセンターの受付。ガラス張りのカウンター(右方)前にICカードリーダと指静脈認証機器が設置されている

受付の先には供連れ防止のフラッパーゲート(左方)が用意されている。ICカードの受付記録を読み取り、ゲートの開閉を行う

さらに、高負荷という点では、1ラックあたり6kVAと、一般的なデータセンターの2倍~3倍にあたる電力を供給する。1平方メートルあたり2トンの高床耐荷重性も備え、ブレードサーバの大量利用にも十分に耐えられる作りになっている。

ラック背部の様子。1ラックあたり6kVAの電力を供給する

サーバルーム内の電源装置(左方)と耐震設備(右方)。元々、書籍卸業者の施設であったため、耐荷重性は抜群

以上のようなIT機器向けの設備に加えて、作業者に配慮した設備も用意されている。具体的には、宿泊施設や休憩スペース、マッサージチェアなどを設置。データセンターでの作業はサーバ稼働率の低い深夜に行われることが多いが、「作業が早く終わっても電車が動き出すまでの時間を有効に使えるよう気を配っている」という。加えて、喫煙ルームも施設内に設け、「長時間の作業で愛煙家が入退室処理を繰り返すことのないよう配慮している」うえ、作業手順などを確認する打ち合わせなどで重宝するミーティングルームなども用意されている。また、レンタルオフィスフロアも準備されており、セキュリティ、耐災害性に強い施設内にオフィスを構えることだ。

施設内には喫煙ルーム(右方)も用意されている。入退室機会を減らすことでセキュリティ向上を図るねらい

ミーティングルームの様子。自由に利用できる

アメニティスペースの様子。未完成の状態だが、奥にはマッサージチェアも設置される

ビットアイルは、今回のデータセンター新設により、全データセンターの合計ラック数が2900から5500にまで拡張されるという。

なお、同社は第4データセンターのオープンに併せて、ITベンチャー支援プログラム「ビットアイル・インキュベーション・プログラム」を開始することを発表。有望な事業アイデアを持つITベンチャー企業を募集し、認定した企業に対して、ラックスペースやサーバ、100Mbps共有回線などを1年間無償提供していく。詳細は同社のWebサイトにて公開されている。

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