手嶋屋 代表取締役 手嶋守氏

手嶋屋 代表取締役 手嶋守氏による同会の紹介によると……OpenPNE利用数は3万組織にのぼる。そして、導入したはいいが、どうやって使ったらいいかという共通の悩みがあるという。「あらゆる組織に入れるためには、あらゆる組織で活発にしてもらいたい。全社導入には社内でのネゴが必要など、活発化はシステムだけでは解決しないところがある。エンタープライズはものが社内に入っているので、見ることもできないし要望が上ってこない。しかし、ユーザー会でできたら情報交換できると考える。社内SNSは、社内の機密に関わる話があることがあり、話が出しづらいものだが、信頼できる人どうしで打ち明けられる場としたい」

次に、手嶋屋の社内SNSについて説明があった。手嶋屋の場合、社員、業務委託スタッフ、アルバイト、インターンで、利用者は総計50名ほどになる。業務に関する情報も少なからず流れるので、秘密保持契約を結んだ人のみ参加可能とし、3年半前から利用しているという。目的は社内コミュニケーション(連絡、日記、コミュニティ)に始まり、スケジュール管理、勤怠報告、経費報告、アイディア共有メモ、ランチミーティングメンバー決めなどだ。

手嶋屋では、社員もアルバイトも、入社したらまず社内SNSに登録することになっている。できるだけ顔写真や顔の分かる似顔絵を入れてもらい、本名登録制だ。また、自己紹介覧には、メールアドレスや携帯番号、携帯アドレス、メッセンジャーやSkypeなどの連絡先も入れることになっている。

手嶋屋は人工知能プログラム(ソーシャルエージェント)の提供を目指しており、まず自社に3つほど入れてみたという。バーチャル派遣社員である「ランチランダマイザー君」「勤怠報告君」「RSSリーダー君」などだ。

社員のうち勤怠報告をしないといけない勤務形態である社員は、勤怠報告コミュニティに「何時から何時までどんな作業をした」と入れられるようになっている。それを、勤怠報告君が自動的に収集してまとめてくれるという仕組みだ。RSSリーダー君は、業務に関係するソースを引っ張ってきて、それに関する日記を書いてくれる。

手嶋屋はランチが無料の会社だ。元々は社員どうしが一緒にランチを取ることで交流が生まれることを目的としたためだが、だんだん同じ業種どうしで固まってしまうようになったという。そこで、ランチランダマイザー君がランチイベントを立てる。ユーザーがそれに参加すると、参加者をランダムにシャッフルしていくつかのグループを作成し、「このグループは何時に食べに行きなさい」と決めてくれるため、自動的に交流が図れるというわけだ。

「社内SNSの実験をしている企業なので、トライアルのつもりで入れている。使っていて良かったことは、携帯電話でもスケジュール確認できること、会社やスタッフについてより深く知れることや、コミュニケーションしやすくなったこと。ただ、話が必要以上に盛り上がりすぎるきらいはある」(手嶋氏)という。