インテル、ウチダスペクトラム、マイクロソフトの3社は、企業に存在するクライアントPCの運用管理を効率化し、TCOの削減を目的とした「マネージド ビジネスPC イニシアチブ」を立ち上げ、3社で協業することを発表した。

具体的には、インテルのビジネスPC向けプラットフォーム「インテル vPro テクノロジ」を利用して、マイクロソフトの構成管理運用ソリューション製品「System Center Configuration Manager 2007」(SCCM2007)でクライアントPCを管理し、TCOを削減する運用管理ソリューションを提供する。

インテル vPro テクノロジは、2006年にリリースされ、スリープ状態のPCをリモートで立ち上げたり、リモートでのハードウェア/ソフトウェア資産のトラッキングも可能になっている。SCCM2007は、今年の7月にリリースされたサービスパック1で、vPro テクノロジに対応。オフライン時のPCを含めた状況の把握が可能になっている。これにより、クライアント状況を的確に把握し、ヘルプデスク、セキュリティ、資産管理等の運用コストを削減したい考えだ。

SCCM2007からリモートで電源ONを指示

リモートでBIOSの変更もできるという

実際のユーザーに対するソリューション提供は、ウチダスペクトラムが行い、インテル、マイクロソフトは技術支援のほか、共同での動作確認、システム構築手法の確立、構築ガイドの作成、共同プロモーションの実施、導入事例の獲得と事例等の作成を行う。

3社の役割分担

また、3社共同検証で得た結果を、ホワイトペーパーとして本日よりWebサイトにて一般公開するほか、検証結果の詳細を説明するセミナーを3社共同で11月に開催する。

今後はハードウェアベンダーなど、参画企業の増加も視野にいれ、2009年6月までに25,000台の企業におけるビジネスクライアントPCに本ソリューションを導入したい考えだ。

インテル マーケティング本部 ビジネス・クライアント・プラットフォーム部 部長の廣田洋一氏は、今回イニシアチブを立ち上げた経緯について「サーバやネットワークは運用管理やセキュリティの強化が図られている一方、クライアントは情報漏えいの口になっている。そこで3社は、クライアントの重要性を再認識し、それを踏まえた全体的なITというものを考えていこうということから、イニシアチブが生まれた」と述べた。

また、マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 パートナービジネス開発担当 シニアマネージャの吉川顕太郎氏は、「サーバはシステム管理者がしっかり管理している一方、クライアントはエンドユーザーによって管理者の知らないところで勝手に構成が変更されてしまう。今回の協業は、クライアント管理をシステム管理者の手元に戻すという意味で重要なマイルストーンになる」と語った。

3社の代表。左からマイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 パートナービジネス開発担当 シニアマネージャ 吉川顕太郎氏、インテル マーケティング本部 ビジネス・クライアント・プラットフォーム部 部長 廣田洋一氏、ウチダスペクトラム 執行役員 マーケティング担当 紀平克哉氏