The WebKit Open Source Project

Safari開発版においてWeb Inspectorが最新版に更新されたとWeb Inspector Redesignで報告されている。Safariをビルドして使っている場合はこの最新のWeb Inspectorを試用できる。Web InspectorのほとんどはHTML、JavaScript、CSSなどで開発されているため、自分で変更したり改善したい点があれば簡単にWeb Inspector自身を改良できるという特徴もある。

9カ月ぶりにアップデートされたWeb Inspectorはデザインが最設計されたほか、さまざまな改善や新しい機能の追加が実施されている。次期Webブラウザのデバッグ・プロファイル環境を予想させる内容だ。まず全体のデザインが再考され、UIが作業内容ごとにグループ化されたツールバー形式に変更された。要素、リソース、スクリプト、プロファイル、データベースにグループ化されており、タスクを選択するとパネルがそのタスクへ切り替わる。

タスク指向にグループ分けされた新しいツールバー形式へリデザインされたインタフェース - Surfin' Safariより抜粋

DOMツリーとさらに統合が進められた要素パネル - Surfin' Safariより抜粋

扱いやすいように大幅に変更されたリソースパネル - Surfin' Safariより抜粋

Drosera JavaScriptデバッガはJavaScriptデバッガとして統合された - Surfin' Safariより抜粋

プロファイルパネルに導入された新しいJavaScriptプロファイラ - Surfin' Safariより抜粋

HTML5データベースストレージを操作できるデータベースパネル - Surfin' Safariより抜粋

表示しているパネルに対して実施される検索 - Surfin' Safariより抜粋

大きく変更が実施されたのはリソースパネルだ。9ヵ月前はネットワークパネルとされていたが、大きく変更されてリソースパネルに置き換わっている。ファイルサイズやタイムラインで表示できるようになったほか、豊富な検索オプションの追加、遅延のグラフィカル表示などが実現されている。

以前はスタンドアローンのJavaScriptデバッガとして公開されていたDroseraがスクリプトパネルとしてWeb Inspectorに統合されたことも注目に値する。JavaScriptがどういった状況で実行されているのかを分析するために新しくプロファイルパネルが追加されたほか、HTML 5データベースストレージを操作するためのデータベースパネルが追加された点も注目に値する。

現在はFirefoxとFirebugエクステンションを併用するケースがWebアプリケーション/Webサイト開発において強力なツールとみられているが、次期Webブラウザはそれぞれが強力なインスペクション機能を実装してくるとみられており、今回Safari開発版にマージされた最新のインスペクタはそれを示唆する内容となっている。