アンダーソン氏は、仮想化市場におけるMicrosoftの強みを次のように語っている。

「Microsoftではデータセンターからデスクトップに至るまで、ITのあらゆる分野に対して仮想化に関するソリューションを提供できる。これほど仮想化に対して多くの資産を持つ会社はほかにない」

具体的には、サーバ、デスクトップ、アプリケーション、プレゼンテーションそれぞれに対して、仮想化を実現する同社の製品が紹介されている。たとえばサーバに対しては、Windows Server 2008の提供するHyper-Vによって仮想化を実現できる。またデスクトップに対してはバーチャルPC技術によって仮想化環境の構築が可能。その他、Windows Vista Enterprise Centralized Desktop(VECD)を利用すれば、PCまたはシンクライアントからサーバ上の仮想マシンを使用することができるようになる。

アプリケーションの仮想化を実現する製品としてはMicrosoft SoftGrid Application Virtualizationがある。これはクライアントで使用するさまざまなアプリケーションを仮想化し、ネットワーク経由でオンデマンドに配信することによって、安全でスピーディなアプリケーション展開を実現するものである。現在はバージョン1.0が提供されているが、30日以内にアップデートバージョンがリリースされる予定とのこと。

SoftGridが仮想化されたアプリケーションをクライアント側に配備して実行するのに対し、サーバ側に設置されたアプリケーションをあたかもローカルマシンで動作しているかのごとく利用できるようにするのがWindows Server 2008で提供されるターミナルサービスである。リモートで実行されるアプリケーションがローカルのデスクトップ環境に統合され、ユーザにアプリケーションの物理的な配置を意識させない点が特徴だ。

このようにさまざまなレイヤにおいて個別にソリューションを提供することにより、仮想化による柔軟性を実現しているとのことである。